細胞運動論
 Introduction to Cell Motility
 担当教員:羽鳥 晋由 (HATORI Kuniyuki)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
生命活動を支えるタンパク質分子の働きを運動の観点から解説する.筋収縮,細胞運動,細胞分裂,情報伝達などは,細胞骨格と呼ばれる繊維状タンパク質と分子モーターと呼ばれる運動性酵素の相互作用による”滑り”が鍵となる.この滑り機構は化学力学エネルギー変換と関係する.その解明のためのアプローチやその難しさについても述べる.さらに生体物質の単分子計測について言及する.
生体おける運動器官の分子機構を考えることで,マクロな機械との相違点を理解する.

【授業の到達目標】
生命科学(特に細胞運動)に関する最新の論文を読み,理解できる.

【授業概要(キーワード)】
分子モーター,細胞骨格,化学力学エネルギー変換,細胞運動

【科目の位置付け】
生命科学の発展的な科目.

【授業計画】
・授業の方法
予めWebClassから資料をダウンロードしておく,または参照できるようにしておく.パワーポイントを用いて解説する.必要に応じてビデオ映像を紹介する.
・日程
第1週 ガイダンス
第2週 タンパク質,プロテインデータバンク(PDB)
第3週 遺伝情報とタンパク質
第4週 ウィルス・薬
第5週 細胞運動映像
第6週 細胞骨格・分子モーター
第7週 細胞内輸送
第8週 筋収縮
第9週 鞭毛・べん毛運動
第10週 バイオイメージング
第11週 ハクスレーの筋収縮モデル
第12週 学術論文について
第13週 研究文献紹介1
第14週 研究文献紹介2
第15週 テストと解説

【学習の方法】
・受講のあり方
積極的に質問する.
・授業時間外学習へのアドバイス
英文の資料を用いることがあるので,必要なとき読み直す.

【成績の評価】
・基準
細胞骨格.分子モーターについて構造や機能を正しく理解しているか.細胞運動・筋収縮・細胞内輸送について必要な要素や仕組みを理解しているか.この分野の研究動向について考察できるか.100点満点で60点以上を合格とする.
・方法
最終週に講義内容についての筆記テストを行う(資料を参照可).

【テキスト・参考書】
特に指定しない.
Bruce Alberts 他 著,中村 桂子 他 訳,細胞の分子生物学 第4版,ニュートンプレス, ISBN-4315517305
竹縄 忠臣 編, 細胞骨格と細胞運動, シュプリンガー・フェアラーク東京, ISBN-4431709746
J. Howard 著, Mechanics of Motor Proteins and Cytoskeleton, Sinauer Associates Inc, ISBN-0878933344
D. Bray 著,Cell Movements: From Molecules to Motility, Garland Pub, ISBN-0815332823

【その他】
・学生へのメッセージ
ライフサイエンス分野の最新論文をPubMed(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez)などの検索サイトを通して調べて欲しい.


特になし
・オフィス・アワー
随時相談に応じる.工学部8号館405号室

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