磁気デバイス工学
 Magnetic Devices
 担当教員:稲葉 信幸(INABA Nobuyuki)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)電気電子工学分野
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
現代社会では、ハードディスクに代表される情報ストレージの分野や各種センサーなどでは、磁気デバイスが必要不可欠となっている。この講義では、磁性の基礎を学ぶとともに、磁気デバイスへの応用技術を学習する。
前半では、物質の磁気モーメント、強磁性体の性質などの基礎事項を理解し、その後、デバイスを作る上で必要な薄膜形成と磁性薄膜の特性を、最後に、デバイスの応用例を習得する。

【授業の到達目標】
・強磁性体の基本的な性質の理解する。
(交換結合、磁気異方性、磁壁、磁区、磁化反転、磁化過程 など)
・各種強磁性材料の基本的な特性の理解する。
(軟磁性材料、硬質磁性材料)
・薄膜の形成法と磁性薄膜の特性の理解する。
(薄膜成長、エピタキシャル成長と結晶配向制御、人工格子膜)
・磁気デバイスの応用例の習得する。

【授業概要(キーワード)】
磁気モーメント、強磁性体、交換結合、磁気異方性、磁化反転、軟磁性材料、硬質磁性材料、薄膜、磁気記録、動的磁化過程

【科目の位置付け】
この講義では、磁気デバイスを考える上でもととなる磁性体の基礎的な性質、作成方法、評価方法、および、トピックスとして最近のデバイスへの応用例を講義する。

【授業計画】
・授業の方法

・日程
第1週 はじめに
第2週 交換結合と強磁性体
第3週 磁気異方性、磁区構造
第4、5週 磁化反転機構
第6、7週 軟磁性材料、硬質磁性材料
第8週 薄膜材料の作成
第9,10週 磁性薄膜成長
第11週 磁性薄膜の磁気計測法
第12-15週 各種磁気デバイスへの応用

【学習の方法】
・受講のあり方
講義では、基本的な部分が中心となる。興味を抱いた内容、さらに深く知りたい項目などは、参考書を紹介したり相談にのるので、自ら積極的に調べ、勉強して欲しい。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義で不明な点は、オフィスアワー等を利用して質問し、理解する。

【成績の評価】
・基準
レポート提出を課し、合計点が100点中60点以上であれば、合格とする。
・方法
講義のテーマにあわせて課題を課すので、これをレポートとして提出する事。

【テキスト・参考書】
指定なし
多方面にわたるので、必要に応じて、提示する。
全般にわたる内容は、下記を参考にしてほしい。
志賀正幸:磁性入門 スピンから磁石まで、内田老鶴圃、3600円+税
近角聡信;強磁性体の物理(上、下)、裳華房、[上巻]5000円+税 [下巻]6600円+税
太田恵造;磁気工学の基礎(1,2)、共立出版

【その他】
・学生へのメッセージ
電磁気学、量子物理、電子物性、電気電子材料を履修していることが望ましい。
・オフィス・アワー
時間:毎週水曜日16:00~17:00
場所:7-115

59000208-2017-15-56772