機械設計論
 Pronciples of Mechanical Design
 担当教員:飯塚 博(IIZUKA Hiroshi)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)システム創成工学分野
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本講義では,金属・セラミックス・高分子材料に関する基本的な特性を概説した後,具体的な事例を取り上げながら,軽量化設計に最適な材料選定や破壊安全設計等に関する論理的な考え方を講義する,
機械設計においては,材料力学や熱・流体力学等に基づく力学解析とともに,どのような素材を使用して製作するかという材料選定が重要である.金属・セラミックス・高分子材料にはそれぞれ短所と長所があり,それらの特徴を活かして使用すると,高強度・軽量・耐久性等がバランスした機器を設計することができる.本講義では,色々な特徴を持つ各種材料をそれぞれの用途に合わせて使い分けていく際の基本的な考え方を学ぶ.

【授業の到達目標】
1.金属・セラミックス・高分子材料の力学特性を原子結合の違いから説明できる.
2.用途に合わせて上記材料の最適選択ができる論理的手法が身についている.
3.最軽量な材料選定を数式を用いて展開できる.
4.価格も考慮した最適材料選定を数式を用いて展開できる.

【授業概要(キーワード)】
最適材料選定,ヤング率,破壊強度,材料強度,軽量設計,破壊安全設計

【科目の位置付け】
隔年開講の専門科目

【授業計画】
・授業の方法
講義に演習を取り混ぜ,自分で材料選定していきながら,その考え方を数式を用いて理解する.
・日程

90分*15回の講義およびその内容を展開させた演習問題に取り組みながら授業を進める.
第一週;材料選定の重要性
第二週;ヤング率の発現機構と材料差
第三週;テニスラケットに最適な材料選定(比強度)
第四週;テニスラケットに最適な材料選定(価格)
第五週;棒高跳び用ポールに最適な材料選定
第六週;降伏現象の発現機構と高強度材料
第七週;椅子の脚に最適な材料選定
第八週;ばねに最適な材料選択
第九週;中間評価と解説
第十週;もろさと応力拡大係数
第十一週;き裂を有する材料の強度評価
第十二週;ボイラに最適な材料選定
第十三週;圧力容器と安全設計
第十四週;炉壁に最適な材料選定
第十五週;環境問題と材料評価、レポート課題。

【学習の方法】
・受講のあり方
講義の内容を整理するためのプリントを配布し,1時間程度で完了できる復習問題と30分程度でできる予習を行い,講義内容を整理していく。
・授業時間外学習へのアドバイス
材料力学の基礎的な解析方法はあらかじめ身につけておくこと.
配布プリントは持ち帰り,関連知識を復習しながら学習し,完成したのちに提出すること.

【成績の評価】
・基準
材料力学と機械材料の基礎知識が連動して材料選択ができるようになったか(40%),論理的に材料選択する数式を用いた考え方が理解できたか(35%),安全設計の思想が理解できたか(25%).
・方法
配布するプリントの提出状況(20%),中間テスト(40%),最終レポート(40%)の点数で評価する.これらの合計が60点以上を合格とする.

【テキスト・参考書】
指定しない.
Ashby著の日本語訳本が参考になります.
1.機械設計のための材料選定、内田老鶴圃、金子・大塚訳(M.F.Ashby)、8,800円
2.材料工学入門、内田老鶴圃、堀内・金子・大塚訳(M.F.Ashby)、4,800円

【その他】
・学生へのメッセージ
材料力学と材料工学の基礎知識があるとわかりやすい.
演習を多くするので、自ら学ぼうとする態度が大切.
・オフィス・アワー
月曜日16:00-17:00

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