技術経営学概論A
 Basic Management of Technology A
 担当教員:専攻教員:兒玉、田中、野田、高澤
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
ものづくり技術経営(MOT)コース全体の概観である。
前期課程入学後の学修・研究を開始するに際し、MOTとは何か、本コース全体の俯瞰とその意味を概観することにより、多岐にわたる入学生(社会人、大学卒、留学生等)の個人毎の強化すべき基礎知識の種別判断とこれにつづく専門学習、研究論文のストーリー展開に役立てることを主なねらいとする。この科目をMOTコース全体の"見える化“の一手段として位置づけ、顧客(学生、派遣元)満足を得ることもねらいのひとつである。

【授業の到達目標】
1.本専攻における基本的知識、キーワードの標準化を目指す。
2.個人毎に基本的知識、キーワードの不足部分を充足する。

【授業概要(キーワード)】
MOT、価値創成、価値獲得、経営、戦略(ロードマッピング)、組織、産業政策、マーケッティング、技術マーケティング、エコシステム(バリューチェイン)、トヨタ生産方式、イノベーション、グローバリゼーション、生産革新、知財、経営指標、論理的思考、中小企業、アジア、問題解決、リーダーシップ、IT、産学連携、地域活性、実学、など。

【科目の位置付け】
MOTでの学習を開始するにあたっての講義の全体のイントロダクション及び羅針盤的な位置づけである。

【授業計画】
・授業の方法
1. 技術経営学概論A(年度前期開講)および同概論B(年度後期開講)の両方が必修である。
2. AとBはどちらから 開始しても良い。(例:10月入学生はBからのスタートになる。)
3.技術経営とは何か、何を習得すべきかに関して、考え方、進め方の説明及びディスカッションを行い、基礎的な知識を習得する。
4. 講義は内容により、チーム編成によるグループ討議・発表、現場実習、輪講、外部講師による指導、複数教員による指導等も含む場合がある。
・日程
教科書を指定して、複数の専攻教員が分担当する。135分を1回として、10回で完結する。教科書に不足する情報は、各教員が充足する。
1【兒玉】MOTの本質と戦略(ロードマッピング、講義体系の紹介)
2【野田】サービスを含めたエコシステムとMOT(バリューチェーン)
3【田中】技術マーケティング
4【高澤】サービスを含めたアーキテクチャーとプラットフォーム
5【田中】イノベーションの理論と本質
6【田中】研究戦略
7【野田】コア技術戦略
8【野田】事業システムと設計・デザイン・プロセスのマネジメント
9【高澤】組織能力とプロセスマネジメント(1)
10【高澤】組織能力とプロセスマネジメント(2)

【学習の方法】
・受講のあり方
基本的には講義及び質疑応答が中心だが、講義によっては演習やグループワークが主体の双方向の参加型の形態で実施する場合もある。どんなことでも積極的に自分の意見を出し、グループワークでは熟議をすること。また扱う問題には(日本の義務教育の最弱点でもありますが)正解のない場合がほとんどです。簡単にいうと2+1=?ではなく、3=?+?の欧米形式が多く、一つの答えとは限らない。
・授業時間外学習へのアドバイス
教科書を指定するので、興味あれば自習で先に進めて疑問点を明確にして授業に臨むように。
毎回講義終了時に重要な項目について簡単にまとめを行う。宿題としてレポート提出を課す。少なくともこれらの項目についてはよく覚えておかないと関連する選択科目における詳論での学習に続かなくなる場合がある。

【成績の評価】
・基準
各講義時の理解度(試験のある場合はその点数、レポートの場合はその点数)、チーム毎の演習やとその結果発表の得点を合計し、計100点で60点以上が合格となる。
・方法
理解度は質問の応答内容や試験やレポートによって判定する。プレゼンテーションは発表時の内容を採点する。出欠は講義の初めにとる。

【テキスト・参考書】
テキスト:延岡健太郎:MOT[技術経営]入門、日本経済新聞出版社。
参考書:The Goal(ダイヤモンド社)、革新のための七つの手法(日経BP社)、東京大学ものづくり経営研究センター(http://merc.e.u-tokyo.ac.jp/mmrc/)のNews欄に掲載されている論文、PFドラッカー、H.ミンツバーグ、クレイトン・クリステンセン、大野耐一の著書、その他各講義の担当教員の推薦図書。

【その他】
・学生へのメッセージ
技術者は単に専門を知っているだけでは不十分である。国際化する舞台、激変する経済環境のなかで国際感覚とLeadershipを持ったTechnology Managementできる技術者が求められている。これからの時代、本専攻を卒業する学生は少なくともそのような基礎的マインドセットを持って産業界に乗り出す必要がある。まずは本科目及び技術経営学概論Bで自分の不足部分を知り、レベルアップを図ること。
講義中は私語を慎み、携帯をマナーモードにすること。ガム噛みは特別な事情がない限り慎むこと。
・オフィス・アワー
常時可能である。ただし事前にメール等で教員と連絡をとり、予定を確認すること。特に他の専攻と異なり、学習する時間が比較的限定されている社会人学生もいると思うので、個別の指導を積極的に受けるようにすること。

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