マーケティング・戦略論Ⅱ
 Marketing and Business Strategy 2
 担当教員:志村 勉(SIMURA Tutomu)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)システム創成工学分野
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:1単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
マーケティング・戦略論Ⅰでは、おもにマーケティング分野を学び、マーケティング・戦略論Ⅱでは、おもに事業戦略について学びます。
事業戦略とは、事業の持続的収益を確保するための戦略です。自社が特定の顧客に常に選ばれ続けるための施策を講じ、競争優位性を備えている必要があります。そのためには、どう考えて、どのようにアプローチしらたいいのかを理解します。

【授業の到達目標】
事業戦略で特に重要になってくるのが自社の独自性です。なぜ、それが重要なのかを理解する必要があります。また、その独自性は、どのようにして高めていくことができるのか、事業活動の中で取り組むべき方向性とアプローチを実践できるレベルを目指します。

【授業概要(キーワード)】
競争戦略、事業戦略、独自性、競争優位性、収益力

【科目の位置付け】
事業の持続的収益を確保することは、組織にとって極めて重要なテーマです。それを実現するための手段をつくりあげるのが事業戦略です。技術経営学においても、技術の扱い方や、どの技術をどのレベルに進化させるべきなのかの判断も事業戦略からブレークダウンしたものであることが求められます。つまり、技術経営学分野でも、技術戦略や技術開発にも通ずる重要な位置づけとなります。

【授業計画】
・授業の方法
理論や考え方の理解を助け、思考のプロセスをガイドし、実践で使えるオリジナル教材と指定テキスト(書籍)を利用して講義します。講義の合間にミニワーク(個人およびグループ)をふんだんに取り入れて、使える知識として定着を図ります。
・日程
<第1回> ビジネスモデル
今日の戦略経営の基盤はビジネスモデルであると言われています。
顧客へ商品(サービスを含む)を、どのように提供すれば、顧客の価値が高まり、自社の売り上げや利益が高まるのか?
それらを仕組みとして構築する「儲ける仕組み」の組み込み方を学びます。
<第2回> 成長モデル
企業の成長には、大きく三つの方向が考えられます。
既存事業における商品の売り上げを拡大させる(ライン拡張、新商品、商品戦略の革新などなど)、新規事業そしてソリューション事業(バリューパッケージング)です。
この回では、おもに最後のソリューション事業展開による成長モデルを解説します。これは、既存事業の周辺を取り込み、綜合化し、顧客価値を束ねることにより集積性の高い事業領域を取り込みながら売り上げを拡大する方法です。
<第3回> 事業戦略(戦略方針の検討)
事業戦略の考え方やスタイルには様々あります。
まずここでは、事業戦略の方針を決めるべく、事業における市場での状況から、どのようにアプローチすべきかを学びます。
<第4回> 事業戦略(戦略検討)
事業戦略を構築するための方法と考え方を学びます。
ここでは、特にターゲット顧客を設定してからアプローチし、競争優位となる独自性の磨き方や、KFS(成功のカギ)に結実させる方法、さらにはビジネスモデルを組み込んだ、戦略シナリオに纏める方法を解説します。
<第5回> ビジネスプランニング
マーケティングや事業戦略を一通り学んだ知識を基に、事業計画に纏める方法を学びます。
新規事業はもちろん既存事業に関しても、事業革新では必要となるスキルでしょう。自身で大まかに事業計画書が作れるように解説します。

【学習の方法】
・受講のあり方
講義と併せてテキストを使った自習を行ってください。
また、積極的に取り組むことはもちろん、とにかく思考を凝らし、それぞれのフレームを自身で実践してみることです。
・授業時間外学習へのアドバイス
単なる教養や知識とするだけでは意味がありません。マーケティングを必要としない商売や組織は、世の中に殆ど無い筈ですから、マーケティングの実践力を備えていれば、必ず御自身の業務の役に立つでしょうし、所属する組織に貢献できると思います。そのためにも、是非とも力を入れて御自身を研鑽してください。

【成績の評価】
・基準
・取組姿勢や態度の適格性(30点)
・講義への貢献度 (20点)
・講義内容の理解と実践力(50点)
合格点は60点とする。
・方法
講義への参加(出席ではない)姿勢、態度、に加え、講義への貢献に関する客観的評価。講義中および最終レポートにより講義内容の理解と実践力を評価。

【テキスト・参考書】
教科書:志村勉著「儲け続ける会社のシンプルな経営」(日本能率協会マネジメントセンター)
参考書:志村勉著「新版 ビジネスプランニングの達人になる法」(PHP研究所)

【その他】
・学生へのメッセージ
・オフィス・アワー

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