知的財産マネジメント
 Management of Intellectual Property
 担当教員:小野 浩幸(ONO Hiroyuki),梅原 潤一(UMEHARA Jyunichi),佐藤 豊(SATO Yutaka)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科, 渉外部
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
企業の成長戦略に欠かせない知的財産の基礎知識を実務的な立場から理解する.特に,特許権等の産業財産権について,法的・経済的側面からみたその本質と,判例を通じた技術戦略について解説する.
さらに,市場(Market)と技術群(Technology)との両面を見据えた「MTマトリックス」手法の理解と体験を通じて,内外のリソースを活用する「オープンイノベーション」について,知的財産の側面からその課題と対策を考える.
実践的な知的財産マネジメントとは何かを考える.厳しい経済環境の中,企業の成長発展には知的財産の創造,保護は不可欠となっている.それをどのように事業に活かすのか,さらには,国際的な事業展開において知的財産をどのように収益に結びつけるのか,これらに必要となる知的財産マネジメントに有効な基礎知識や企画・実践能力の取得を目指す.

【授業の到達目標】
特許法を中心とした産業財産権に関する諸制度,判例等に関する基礎知識の習得.国内,海外における事業企画・戦略立案,M&Aや事業再編の計画立案ができ,知的財産から生じる収益の極大化にむけた自らのアイディアを具体化していく「ビジネスプラン」の企画・実践ができるようになることを目標とする.

【授業概要(キーワード)】
知的財産権,戦略的マネジメント,MTマトリックス

【授業計画】
・授業の方法
講義と演習
・日程
前半4回までの基礎学習部分は講義形式により知的財産権,特に産業財産権を中心に学ぶ.さらに,知的財産や製品ライフサイクルから見た事業再編や新規事業についての概要を理解する.
後半6回では,MTマトリックスの作成方法と活用方法を理解した上で,オープンイノベーションの導入と課題について議論する.
最後に,受講生自らMTマトリックス用いてそれに基づく事業戦略作成・発表してもらい,最終評価を行う.
1. 知的財産と産業財産権の基礎を知る
2. 国内外の判例から技術戦略の成功と失敗を学ぶ
3. 事業再編、新規事業、M&A等の手法と知的財産管理を学ぶ
4. 国際的知的財産ビジネスの台頭とオープンイノベーションを議論する
5. MTマトリックスの手法と効果を知る
6. MTマトリックスを用いた事業戦略を策定する
7. 事業戦略発表とディスカッション

【学習の方法】
・受講のあり方
常に,実践する立場から当事者意識を持って自らが積極的に参加するという意欲ある人の受講を期待する.
・授業時間外学習へのアドバイス
予習等は特に必要ないが,講義中にレポートの課題を出すことがある.また,確認のための小テストも行う.講義の後半には演習として自らが作成したプランの発表を予定している.習得した基礎知識をもとに,実践することを想定したプランニングを行う.

【成績の評価】
・基準
知的財産に関する基礎的知識に関する理解度とグローバルな視点からの知的財産マネジメント感覚をどの程度習得できたかを評価の基準とする.
・方法
講義中に指示した課題に関するレポート,講義後半の演習で各自が作成した事業戦略と知的財産管理手法の内容を基本に,平常点(出席、授業での参画度合いや質問など)をベースに評価する.

【テキスト・参考書】
パワーポイントの資料を使用する.さらに,必要に応じて参考図書は授業のなかで紹介する.

【その他】
・学生へのメッセージ
本科目では,工学系の専門知識は必要としない.

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