理工系のための実用英語Ⅰ
 English for Engineering and Science I
 担当教員:多田隈 理一郎(TADAKUMA Riichiro)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)機械システム工学分野
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
グローバル社会で技術者として国際的に活躍できる素地となる理工系英語の習得を行う.日本の国益を国際社会の中で守っていくためには,英語による海外の人々とのコミュニケーションにおいて,日本人が主体性を失わないことが不可欠である.本講義では,英会話を積極的に行い,自分の主張を外国人とのコミュニケーションの中で通していけるような技術者になるための英会話の習得を行う.具体的には,英語で海外からの留学生とディスカッションしたり,海外に留学して専門知識を深めたりするときに必要な英語力や自己表現の仕方を身に着けることをねらいとする.

【授業の到達目標】
海外から留学してくる優秀な人材を教育した上で,卒業後は母国に帰国してもらい,ゆくゆくは母国の指導的な立場で,自分が留学先に選んだ国に対して有利になる「恩返し」的な行いをしてもらうという,米国やフランスのような国の持つ強大な外交力の源泉となっている「海外からの滞在者に対する戦略的ホスト国としての高度なコミュニケーション能力」を日本が強化し,繁栄を維持してゆくためには,日本人一人一人が英語で海外からの来訪者と積極的にコミュニケーションを取り,彼らが何か困っているときに進んで「助けてあげられる」ことが肝要である.本講義では,そのようなグローバル人材を育成し,科学技術立国としての日本の繁栄を永続的なものにすることを目標とする.

【授業概要(キーワード)】
Engineer to work in Global Society, Presentation in English, Scientific Discussion in English.

【科目の位置付け】
本講義は,後期の”English for Engineering and Science II : Intermediate”の講義へとつながる内容となっている.

【授業計画】
・授業の方法
実際に海外の学会に出席してプレゼンテーションを行う場合や,海外からの留学生と英語で研究に関するディスカッションを行う場合に役に立つ英語能力の習得を,実践的なロールプレイングにより行う.そのため,講義の後半は,受講する学生一人一人が均等に発言する機会を与えられるような,グループディスカッション形式を取る.講義の前半においては,そのディスカッションの準備となる,基礎的な英語の知識や技能を伝授する.
・日程
Lecture 1: 英語の発音記号と実際の発音との対応の説明,語根による単語の習得
Lecture 2: 国際社会の中の日本人のイメージの説明
Lecture 3-5: 海外での英語によるコミュニケーション(海外旅行・国際学会の例・留学先の米国の研究室でのディスカッションの例)
Lecture 6: 海外での英語によるコミュニケーション(アメリカ大使館でのビザ所得面接の例)
Lecture 7-9: 海外での英語によるコミュニケーション(海外の大学で講義を受け,実験器具を使わせてもらい,自分の研究を紹介する例)
Lecture 10-11: 海外での英語によるコミュニケーション(国際学会の例2:発表)
Lecture 12: 海外での英語によるコミュニケーション(トラブルに巻き込まれた場合の対処の例)
Lecture 13-15: 海外での英語によるコミュニケーション(プレゼンテーション練習)

【学習の方法】
・受講のあり方
本講義は極めて実戦的な英会話を伴うものであるため,英語による発言を積極的に行うことを義務付ける.
・授業時間外学習へのアドバイス
毎回の講義の最後に,次回の講義のディスカッションにおける議題を提示するので,その話題に関する自分の意見を英語で言えるように準備しておくこと.
その日の講義で,自分が答えられなかったことを,次回の講義では言えるように,知らなかった単語,その関連語句の暗記に加えて,イントネーションの改善を行うこと.

【成績の評価】
・基準
出席および英語によるディスカッションへの積極的な参加の姿勢で評価する.ディスカッションの結論に貢献できなかった学生は,その回の講義の評価点は下がることになる.最終的に行ってもらう英語でのプレゼンテーションも評価対象となる.
・方法
出席およびディスカッションへの積極的な参加: 40%,宿題: 20%,最終プレゼンテーション: 40%

【テキスト・参考書】
特にありません.必要な資料は,基本的に講義中に配布します.
学会出席・研究留学のための理科系の英会話 廣岡慶彦著 The Japan Times(ジャパンタイムズ株式会社)

【その他】
・学生へのメッセージ
本講義は,後期の”English for Engineering and Science II : Intermediate”の講義へとつながる内容となっているため,できれば後期に上記のより発展的な理工系英語の講義を受講することを考えている積極的な学生の参加を期待します.
本講義は,英語を用いて国際社会で生き抜いていく気概とバイタリティーのある学生を歓迎します.そのため,積極的に英語での発言を行うための話題の収集を怠らないようにして下さい.

本講義は,将来にわたって英語を用いてグローバルに活躍する技術者になることを目標として,自らの生活習慣を変えていくほどのモチベーションを持つ学生を期待する.そのため,アイポッドやウォークマンに英語教材を入れて常に聞くような生活スタイルを確立することが望ましい.
・オフィス・アワー
水曜日 15:00~17:00・連絡先:tadakuma@yz.yamagata-u.ac.jp

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