植物分子遺伝育種学特論
 Plant Molecular Genetics and Breeding
 担当教員:星野 友紀(HOSHINO Tomoki)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科植物機能開発学コース
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:生物資源学専攻  科目区分:選択必修科目 
【授業の目的】
近年の植物育種法は、イネやダイズなどに代表される作物のゲノム塩基配列の解読に伴い、それら情報を最大限に活用した分子レベルでの解析が主流となりつつある。作物の育種を行う上で、農業上有用な自然変異あるいは突然変異を順・逆、両方向の遺伝学的アプローチにより探索し、有用形質に関わる遺伝子を特定する方法論について、最新の研究論文を題材にあげ解説する。また、近年急速に進歩する育種法について、逆遺伝学的アプローチ法、次世代シークエンサーを用いた塩基配列情報のカスタマイズとその利用、染色体ハプロタイプ選抜による次世代育種法について概説する。

【授業の到達目標】
作物のゲノム塩基配列を基にした最新の分子遺伝学的手法を中心に、農業上有用な遺伝子の特定とその育種利用について学ぶ。
分子レベルの解析による植物遺伝育種学分野の研究論文を理解できるようになるとともに、自身の修士論文研究に応用できるようにする。

【授業概要(キーワード)】
遺伝子、QTL、マップベースクローニング、順・逆遺伝学的手法、DNAマーカーの利用、次世代育種法

【科目の位置付け】
本講義は、急速に進歩している植物育種学分野の研究手法・研究成果例について、最新の研究学問と位置付ける。

【授業計画】
・授業の方法
最新の研究論本の解説を中心にした講義を集中講義にて行う。
講義の最後には、紹介した分子的アプローチについて、自身の修士論文への応用法を検討し、各自発表を行う。
・日程
1:植物分子育種学分野における最新のトピックス紹介
2:ゲノム情報とは(イネ・ダイズの例)
3:順遺伝学的アプローチ①方法論の解説
4:順遺伝学的アプローチ②研究成果の紹介
5:逆遺伝学的アプローチ①方法論の解説
6:逆遺伝学的アプローチ②研究成果の紹介
7:遺伝学的アプローチのまとめ
8:DNAマーカーの育種への応用①方法論の解説
9:DNAマーカーの育種への応用①研究成果の紹介
10:次世代育種法①方法論の解説
11:次世代育種法②研究成果の紹介
12:自身の修士論文の発表(またはレポート)
13:自身の修士論文における応用法の検討①遺伝学的アプローチ
14:自身の修士論文における応用法の検討②分子生物学的アプローチ
15:発表(またはレポート)、まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
近年、急速に発展している研究分野であるので、植物育種学・植物生理学・分子生物学・生化学の基礎的な項目を復習してから受講することが望ましい。また、授業の各項目について、参考書等で自ら積極的に調べ、分からない点は質問すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
配布する講義資料を基にして、関連する論文を読み理解できるようにする。さらに、講義中で紹介する研究例を基にして、自身の修士論文に応用が可能かどうか、検討できるようにする。

【成績の評価】
・基準
分子レベルでの研究アプローチによる植物育種学分野の学術論文ついて、講義をとおして得られた知識に基づいて主体的に考察し、論述できることを合格の基準とする。
・方法
平常点(15点)と、期末試験あるいはレポート(85点)の成績により、講義内容の理解度を評価する。

【テキスト・参考書】
・テキスト
講義資料を配布する。

【その他】
・学生へのメッセージ
急速に進歩している分子レベルの技術を用いた作物の品種改良という応用分野の研究に興味がある方は、受講してください。
・オフィス・アワー
第1回の講義中に連絡をする。また、事前にメールで連絡をすれば、対応可能。
連絡先:thoshino@tds1.tr.yamagata-u.ac.jp

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