植物遺伝資源学特論
 Lecture of Plant Genetic Resources
 担当教員:江頭 宏昌(EGASHIRA Hiroaki)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科植物機能開発学コース
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:生物資源学専攻  科目区分:選択必修 
【授業の目的】
植物遺伝資源を広い視野から評価できるようになること。
学部で開講している植物遺伝資源学をより専門的、具体的に学ぶ。さまざまな作物をカタログ的に見るのではなく、起源地と伝播ルートを想定しながら日本の在来作物を系統的に捉える視点を養成する。また戦後急速に作物の多様性が失われてきた原因を考えるとともに、植物資源の多様性を保全し次世代に伝える意義と方法を考える。

【授業の到達目標】
1)植物遺伝資源の収集、評価、保存を行うために必要な知識を習得する。
2)なぜその地域にその在来作物が世代を超えて利用されてきたのか、さまざまな視点から理由を考えることができるようになる。
3)現場で状況を把握し、質問することができる。
4)現場で解決すべき課題とその原因を見出すことができる。

【授業概要(キーワード)】
在来作物、起源と伝播、焼畑、多様性の消失、時代の価値観

【科目の位置付け】
地域社会や国際社会における様々な問題を解決することができるようになるための科目

【授業計画】
・授業の方法
夏休みに3日間にわたる集中講義形式で実施する。
・日程
1日目
1.在来作物を説明するための専門用語の解説
2.在来作物へのアプローチ:収集したデータをどう使うか
3.作物の伝播、日本の在来作物の地理的分布と特性
2日目
4.在来作物が伝えてきたものと今後の役割
5.地域の在来作物をどう守るか
6.ディスカッションとまとめ
3日目
7.フィールドワークの準備
8.栽培現場の取材

【学習の方法】
・受講のあり方
講義は配付資料に書かれている言葉とその背景を良く理解するように努力すること。分からないことはそのままにせず、講義ごとあるいはディスカッションの回に質問すること。現地見学では現場でさまざまな情報を取材するトレーニングを行う。
・授業時間外学習へのアドバイス
自分の郷里にどんな在来作物があり、どのような状況にあるのかを調べることが、問題意識を深める第一歩になるので、おすすめしたい。

【成績の評価】
・基準
1)講義内容の理解はもちろん、講義と栽培現場で取材したこととを結びつけて考えることができること。
2)現場で多様な視点から質問が出せること。
3)考えたことをレポートに論述できること。
・方法
出席態度とレポートで評価する。

【テキスト・参考書】
講義当日にプリントを配布する。参考書としては
山形在来作物研究会編「どこかの畑の片すみで」、山形大学出版会、1500円(税込)ISBN978-4-903966-02-1
山形在来作物研究会編「おしゃべりな畑」、山形大学出版会、1500円(税込)ISBN978-4-903966-06-9
青葉 高「野菜」、法政大学出版局、3675円(税込)ISBN978-4-588-20431-9
中尾佐助「栽培植物と農耕の起源」、岩波新書、777円(税込)ISBN978-4-00416-03-5

【その他】
・オフィス・アワー
木曜日12:30-13:30

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