特別講義Ⅰ(2年)
 Special Lecture I
 担当教員:小森 貞男(KOMORI Sadao)
 担当教員の所属:非常勤講師
 開講学年:2年  開講学期:通年  単位数:1単位  開講形態:講義
 開講対象:大学院農学研究科  科目区分:選択必修科目 
【授業の目的】
植物に特徴的なライフサイクルの一過程である種子、中でもその休眠と発芽の仕組みについて学ぶ。

【授業の到達目標】
作物の種子は発達過程で獲得する休眠により収穫前に発芽してしまう、穂発芽を防ぎつつ、翌シーズンの播種時には素早く発芽する必要がある。そのため植物の種子の成熟過程で起こる種子休眠性の獲得、保存期間中に発芽できる状態になる覚醒、そして、吸水により引き起こされる発芽までの過程の仕組みについて学ぶとともに、最近の研究例を紹介しながらその原理や解析手法について理解する。

【授業概要(キーワード)】
種子休眠性、穂発芽耐性、発芽、自然変異、突然変異、ゲノム

【科目の位置付け】
植物種子の休眠・発芽について様々な視点から理論的に考察することで、品種改良に必要とされる知識を習得するものである。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを用いた講義形式で行う。
・日程
(1)植物における種子休眠性とは
(2)種子の休眠と発芽を制御する植物ホルモン
(3)クロマチン修飾による休眠性の制御
(4)自然変異を利用した休眠性を司る遺伝子の特定
(5)遺伝子を特定するための分子生物学、ゲノム学的な手法
(6)種子休眠のネットワークの理解と育種への利用

【学習の方法】
・受講のあり方
パワーポイントの内容と配付資料の内容を理解し、将来の品種改良や栽培技術の改良に役立てる。
・授業時間外学習へのアドバイス
パワーポイントの内容と配付資料や参考書等によって、復習することが望ましい。

【成績の評価】
・基準
講義への出席および受講姿勢、および内容の理解度をレポートから総合的に判断する。
・方法
受講姿勢および講義の際に課すレポートによって評価する。

【テキスト・参考書】
・テキスト
講義資料を配布する。
・参考書
種子の科学とバイオテクノロジー(原田 久也 監修/種子生理生化学研究会 編集)学会出版センター出版

【その他】
・学生へのメッセージ
種子植物はライフサイクルの中で種子という、ある種のシェルターの中に入り、生育にとって好適な環境が整うまで、場合によっては何百年も発芽する時を待つことができます。このような特殊な能力を有しているため、ヒトは食料として栄養価の高い種子を摂取するだけでなく、一部を残し、保存し、適期に播種、栽培することで種子を増やすことも出来ます。一見当たり前の様ではあるものの、農業生産上重要な種子の休眠覚醒の仕組みを、最新の研究を、様々な解析手法の紹介と織り交ぜながら紹介したいと思います。
・オフィス・アワー
2日間の集中講義なので、質問等は講義の前、休憩時間、および講義終了後に直接口頭で行ってください。

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