森林保全管理学特論
 Forest conservation and management
 担当教員:林田 光祐(HAYASHIDA Mitsuhiro)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科森林科学コース
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:生物環境学専攻  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
海岸林の保全、とくに津波による海岸林の被害や海岸林が抱える課題を具体的に示し、課題の解決方法を議論する。

【授業の到達目標】
森林の機能と特性を理解し、森林の保全管理の現場で問題になっている課題を解決する力を身につける。

【授業概要(キーワード)】
海岸林、保全、生態系サービス、生物多様性、東日本大震災、津波

【科目の位置付け】
この授業は、討論を通じて事象に対する理解度を深めるとともに、的確に自己を表現する能力を身につけるための科目である(農学研究科生物環境学専攻のカリキュラム・ポリシー)

【授業計画】
・授業の方法
液晶プロジェクター・配付資料を使って、講義を行う。
・日程
1. 東日本大震災の津波による海岸林の被害の実態
2. 東日本大震災で確認された海岸林の津波被害軽減機能
3. 海岸林の定義と範囲
4. 海岸防災林の造成の歴史
5. 東北地方の海岸域の潜在植生と現存植生
6. 北限域のタブノキ林の構造
7. 北限域のタブノキ林の動態
8. 北限域のタブノキの生態的特性(散布と発芽)
9. 北限域のタブノキの生態的特性(定着と成長)
10. 飛島の自然環境と植生
11. タブノキが侵入したクロマツ林の林床植生の多様性の劣化
12. 海岸林の生態系サービス
13. 海岸林の現状と課題
14. 震災後の海岸林の再生に向けた課題
15. まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
わからないところがあれば、その都度質問して下さい。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義内容に関連したことを自分で調べて、レポートに反映させて下さい。

【成績の評価】
・基準
海岸林を対象にした研究内容の講義を十分理解しているかどうか。また、自分の専門分野との関連性を議論できているかどうかをレポートの内容から評価する。
・方法
講義内容に関連した課題のレポート(課題3問)で評価する。

【テキスト・参考書】
関連論文の別刷を講義時に配布する。
海岸林との共生(中島勇喜・岡田穣編、山形大学出版会)
森林飽和(太田猛彦著、NHKブックス)
巨大津波は生態系をどう変えたか(永幡嘉之著、講談社ブルーバックス)

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