素粒子物理学
 Elementary particle physics
 担当教員:岩田 高広(IWATA Takahiro)
 担当教員の所属:理学部物理学科
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理工学研究科(理学系)博士前期課程  科目区分:分野専門科目(物理学分野) 
【授業の目的】
素粒子の性質や粒子間に働く相互作用等を学ぶことで、粒子交換と相互作用、対
称性・保存則等といった基本的概念や、代表的な実験を含む素粒子物理学の基礎的知識を修得することを目的とする。また、天文・宇宙物理等の関連する話題にも触れ、素粒子物理学の応用的役割についての理解を深める事も目的とする。

【授業の到達目標】
1) 素粒子の基本的な性質を理解し、説明できる。【知識・理解】
2) 素粒子の相互作用の性質を理解し、説明できる。【知識・理解】
3) 基礎的な実験的手法を理解し、説明できる。【知識・理解】
4) 代表的な素粒子実験について、その目的と成果を説明できる。【知識・解】
5) 宇宙の進化等との素粒子物理学の関係を説明できる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
素粒子,弱い相互作用,強い相互作用,粒子散乱,ニュートリノ,レプトン,ハドロン,クォーク,素粒子の標準模型

【科目の位置付け】
素粒子物理学に関する基礎知識を修得し、問題解決に応用しうる能力を得ると共に、より専門的な分野を学ぶための基礎を得るためのものである。原子核物理学を履修している事が望ましい。

【授業計画】
・授業の方法
必要に応じて関連する資料などを配布・表示し授業をすすめる。進捗状況に応じ、演習問題に取り組む。
・日程
以下の内容を、順に進める。
第1回 第1章 [素粒子物理学の概要] 素粒子とは、素粒子物理学での単位、力の場と粒子、4種類の力、基本粒子の分類
第2回 第2章 [相対論的量子論] 特殊相対論
第3回 ローレンツ変換、ローレンツ不変量、4元ベクトル
第4回 量子力学でのスピンの記述、2成分スピノル
第5回 ディラック方程式、自由場と電磁場の場合の解
第6回 第3章 [素粒子と対称性]
第7回 対称性と保存量、
第8回 群、U(1)群、SU(2)群、SU(3)群、内部空間での対称性
第9回 スピンの合成、ポジトロニウム、チャーモニウム
第10回 アイソスピン対称性、核力、(3,3)共鳴
第11回 第4章 [標準模型] 基本粒子、ゲージ理論、
第12回 相互作用の統一、電弱相互作用
第13回 強い相互作用、QCD、色電荷
第14回 弱い相互作用、ニュートリノ、ヒッグス粒子
第15回 Beyond Standard Model, 超対称性
ただし、受講生の理解度に応じ、内容・進度を調整する。

【学習の方法】
・受講のあり方
講義資料を配付するので、ただスライド等の内容を板書するのではなく、授業の中で提示されたデータ等の物理的意味を自ら考えること。疑問的は積極的に授業中に質問すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
疑問点は講義中に質問し、解決するようにしてください。

【成績の評価】
・基準
以下の点に関する達成度を、合格の基準とします。
○ 素粒子の基礎的事項を適切に説明できる。
○ 素粒子間の相互作用に関する基礎的事項を適切に説明できる。
○ 素粒子物理の基礎的事項を利用し、応用事例を適切に説明できる。
・方法
演習問題(レポート100点)の結果を基に判断します。

【テキスト・参考書】
特に定めない

【その他】
・学生へのメッセージ
電磁気学・量子力学・特殊相対論等の知識を必要とする箇所があります。それらに関して授業中に分からない事が出てきたら、必ず復習を行い、理解する事。
・オフィス・アワー
電話・電子メールで在室を確認後、研究室に来てください。

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