溶液物理化学
 Physical Chemistry of Solutions
 担当教員:亀田 恭男(KAMEDA Yasuo)
 担当教員の所属:理学部物質生命化学科
 開講学年:2年(平成28年度以前入学者)  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義・演習
 開講対象:理工学研究科(理学系)博士前期課程  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
溶液の微視的な構造と物性
溶液をはじめとする周期構造を持たない物質の構造や物性を解明するための最新の実験手段と構造解析の方法論について習得する。

【授業の到達目標】
X線、中性子回折、赤外、Raman分光法および分子動力学(MD)
計算、分子軌道計算を溶液の構造解析に適用する方法論を習得する。

【授業概要(キーワード)】
溶液構造、回折実験、振動分光法、分子動力学シミュレーション

【科目の位置付け】
専門分野における深化した知識の修得を目的に、体系的な講義、実習を開講する(理工学研究科(理学系)カリキュラムポリシー)。

【授業計画】
・授業の方法
溶液構造を研究するための実験方法、データ解析の方法を実例を用いて解説する。さらに溶液構造に関する理解を深めるために、分子動力学シミュレーションの実習を行う。
・日程
第1回目 溶液構造の特徴
第2回目 溶液構造を調べる手段
第3回目 回折実験:X線回折
第4回目 回折実験:中性子回折実験
第5回目 同位体置換試料を用いた実験
第6回目 溶液の低振動数スペクトル
第7回目 溶液の分子動力学計算:水の計算(実習)
第8回目 溶液の分子動力学計算:溶液の計算(実習)
第9回目 溶液の分子動力学計算:有機液体の計算(実習)
第10回目 ナノ粒子の分子動力学計算(実習)
第11回目 相分離溶液の分子動力学計算(実習)
第12回目 超臨界液体の分子動力学計算(実習)
第13回目 極端条件下の分子動力学計算(実習)
第14回目 分子軌道計算プログラムの使用方法(実習)
第15回目 共役系の分子軌道計算(実習)

【学習の方法】
・受講のあり方
分子動力学計算、分子軌道計算の実習を行いますので、データ保存用
USBメモリーを用意してください。
・授業時間外学習へのアドバイス
特に必要ありません。
分子動力学シミュレーションはしばしば計算に時間がかかります。
授業時間中に完了しなくてもあきらめずに、じっくり考えて試してみる事が重要です。

【成績の評価】
・基準
分子動力学シミュレーションの実習を通じた溶液構造に関する理解の習熟度を基準とする。
・方法
毎回授業の後半に行う分子動力学シミュレーションのレポートを提出して頂き、レポートの内容を基に成績評価を行います。実習への取り組み状況(40%)、レポートの内容(60%)に基づいて成績を評価する。

【テキスト・参考書】
特に使いません。

【その他】
・学生へのメッセージ
できるだけ易しく説明しますので、出席してください。
毎回実習を行いますので必ず出席してください。
・オフィス・アワー
質問等は随時受け付けます。

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