生物化学特論
 Advanced Biochemistry
 担当教員:田村 康(TAMURA Yasushi)
 担当教員の所属:理学部物質生命化学科
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理工学研究科博士前期課程(理学系)  科目区分:分野専門科目(化学分野) 
【授業の目的】
新規の生体内化学反応を見つけ出し,分子レベルで理解するための総合的な知識を身につける事を目標とする。生化学,分子生物学,遺伝学,細胞生物学,合成生物学,生命情報学などについて広く知識を吸収することで,独力で合理的な研究計画を作成できる能力を身につける事を目的とする。

【授業の到達目標】
実際の研究事例(研究論文)をもとに,生体内イベントが明らかにされた過程を追体験しながら現代生物学の知識を幅広く身につける。講義の後半では,未知の生命現象の解明に,どのような研究計画(アプローチ)で挑むかを,実際に自身で研究計画書を作製する事で,独力で考えることができるようになる。

【授業概要(キーワード)】
遺伝学,生化学,細胞生物学,合成生物学

【科目の位置付け】
この講義は,遺伝学,生化学,細胞生物学,合成生物学の総合的な知識を修得し,課題を解決するための高度な専門知識と経験を修得し,研究成果を得るために必要な手法を自ら立てながら研究を遂行していく能力を養うためのものである(ディプロマ・ポリシー1)。深化した知識の修得を目的に,体系的な講義,実習を開講する(カリキュラム・ポリシー)。

【授業計画】
・授業の方法
配布資料,パワーポイントを元にした講義をおこなう。原著論文の輪読形式で講義をする場合もある。
・日程
第1回:ガイダンス
第2?4回:遺伝学(順遺伝学,逆遺伝学,現代の酵母遺伝学)
第5, 6回:生化学(1990年代?2010年代の生化学の歩み:ミトコンドリアタンパク質膜透過装置の発見例)
第7,8回:細胞生物学(蛍光顕微鏡の構造と原理とその応用)
第9,10回:合成生物学(遺伝子暗号の拡張,小分子化合物を利用したタンパク質及び細胞機能の改変)
第11,12回:生命情報学(ゲノムデータベース,タンパク質のアミノ酸配列データベースの利用)
第13回:実験計画の作成
第14回:実験計画の発表と議論
第15回:試験とまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
知識を詰め込むだけでなく,得た知識を具体的にどのように活かすかを念頭に置きながら講義を受ける。原著論文の輪読で出てきたわからない英単語や表現をそのままにせず,覚える努力をする。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義で出てきた基本的な専門用語,英単語などを試験で問うので,復習しやすいようにまとめておくこと。

【成績の評価】
・基準
生物化学の基本的な知識,原著論文を読むための基本的な英語力が身についていること,独力で適切な実験計画を作成する能力が備わっていることを合格の基準とします。
・方法
授業への参加度20点,研究計画40点,試験40点

【テキスト・参考書】
テキスト:適宜配布します

【その他】
・学生へのメッセージ
知識を暗記することが目的でなく,知識を独力の思考により活かすことを念頭に置いて学習しましょう。

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