【授業の目的】
化学者は、生体構造が自発的に構築される「自己組織化」の“現象”を、新たな物質構築の“手法”として活用できる。自己組織化(自己集合)の駆動力となる弱い結合(非共有結合性の相互作用)の特徴を理解し、人工系での高次構造体の合成やその機能について概観する。
【授業の到達目標】
超分子化学の基礎をなす概念を学び、非共有結合性の相互作用の特徴が理解できる。また、自己集合を活用した最近の文献を読んで現代化学の最先端に触れ、要点を分かりやすく説明できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
超分子化学、自己集合、非共有結合性相互作用、分子トポロジー
【科目の位置付け】
有機化学や錯体化学などのさまざまな分野の学際領域である超分子化学を俯瞰し、幅広い視野と知的好奇心・探究心を養う。専門分野における深化した知識の修得を目的に、体系的な講義、実習を開講する(理工学研究科(理学系)ディプロマ・ポリシー)。
【授業計画】
・授業の方法
超分子化学に関する最近の英文総説を一緒に読みながら、随時、捕捉説明を加える。受講者全員が最近の文献を紹介する機会を最後に設ける。
・日程
第1回目 ガイダンス 第2回目ー12回目 "Catenanes: Fifty Years of Molecular Links", Angew. Chem. Int. Ed., (2015), 54, 6110–6150 第13回目ー15回目 文献紹介・発表会 Current Topics (CT)
【学習の方法】
・受講のあり方
英語文献・テキストを読む際に、重要なポイントを抽出して整理できるように頑張りましょう。
・授業時間外学習へのアドバイス
興味をもったトピックについて自主的に文献を読んで理解を深めましょう。
【成績の評価】
・基準
受講者全員が最近の文献を紹介する機会(Current Topics)を最後に設けます。文献・テキストの理解度、文献紹介のレジュメ内容、プレゼンテーションを評価の基準とします。文献・テキストの内容の理解はもちろんのこと、それを相手に分かりやすく簡潔に伝えられることを評価の基準とします。レジュメの作成方法については、講義内で説明します。
・方法
文献・テキストの理解度(40%)+文献紹介のレジュメ内容(30%)+プレゼンテーション(30%)
【テキスト・参考書】
参考書:"Core Concepts in Supramolecular Chemistry and Nanochemistry" (Eds. J. W. Steed, D. R. Turner and K. J. Wallance), Wiley 参考書:"Supramolecular Chemistry, 2nd Edition." (Eds. J. W. Steed and J. L. Atwood), Wiley
【その他】
・学生へのメッセージ
自己集合により構築された高次構造体の美しさや機能に魅せられ、最先端の化学を楽しみましょう。
・オフィス・アワー
特に設定しないので、いつでも可能です。理学部1号館323号室 E-mail: tmurase@sci.kj.yamagata-u.ac.jp
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