機能性錯体化学
 Functional Coordination Chemistry
 担当教員:金井塚 勝彦(KANAIZUKA Katsuhiko)
 担当教員の所属:理学部物質生命化学科
 開講学年:2年(平成28年度以前入学者)  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理工学研究科(理学系)博士前期課程  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
金属錯体は、金属イオンの種類やそれを取り巻く有機配位子の種類を変えることで様々な物性を発現することが知られています。そのため、世の中で活躍する錯体を例に挙げ、錯体の構造、電子状態、物性を同時に理解し、錯体の分子設計を把握するすることがこの授業のねらいである。

【授業の到達目標】
無機化学に関する学部の授業では、錯体化学の基本的な事項(構造と電子状態)に関する内容について説明しています。この講義では、それらと物性を併せて理解することで、目的の機能を得るためにはどのように錯体を設計すれば良いかを学び、その方法に関する知識を身に着けます。最終的に、どのような金属イオンと配位子を組み合わせると望みの機能を有する錯体が得られるか、自らその分子設計ができるようになります。

【授業概要(キーワード)】
金属錯体、構造、電子状態、電気化学、光化学、表面化学

【科目の位置付け】
この授業は、専門分野における知識を習得し、それを体系化して考察できる力を身に付けることを目的とする(理工学研究科博士前期課程ディプロマポリシー)。

【授業計画】
・授業の方法
錯体の構造と電子状態、溶液中での物性、固体状態での物性について、資料や論文をその都度配布し、その内容に沿って進める。
・日程
(第1回)授業の進め方と理解すべき内容について解説
(第2回)有機分子の構造と錯体の構造
(第3回)錯体の電子状態と反応性
(第4回)枯渇性エネルギーと再生可能エネルギーの現状
(第5回)マーカス理論1
(第6回)マーカス理論2
(第7回)マーカス理論3
(第8回)錯体の電気化学、光化学
(第9回)錯体薄膜の作製方法
(第10回)錯体薄膜の構造
(第11回)錯体薄膜の電気化学、光化学
(第12回)錯体利用によるエネルギー変換
(第13回)錯体利用による物質変換
(第14回)錯体の分子設計
(第15回)錯体の分子設計とまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
錯体化学に関して興味のある論文や本を各自、あらかじめ読み、講義に出席することで、錯体化学についての理解が深まります。
・授業時間外学習へのアドバイス
パワーポイントで示される講義内容をノートに筆記して、内容の理解に努める。

【成績の評価】
・基準
錯体の電子状態、構造、物性、反応性についての理解度ならびに、錯体がどのような分野に応用されているかの理解度が評価基準となる。
・方法
授業中にレポートを課し、それについて各自調査し、提出する。その内容について評価する(90点)。また平常点は10点とする。

【テキスト・参考書】
錯体に関する本が多数出版されているので、授業中にいくつか紹介します。

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