光化学特論
 Photochemistry and Molecular Process
 担当教員:栗原 正人(KURIHARA Masato)
 担当教員の所属:理学部物質生命化学科
 開講学年:2年(平成28年度以前入学者)  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理工学研究科(理学系)博士前期課程  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
γ、X線からマイクロ波、電波まで電磁波(光)は、我々の生活には欠かせないものです。電磁波と電子の運動には相補的な関係あります。電磁波(光)の本質を理解し、無機物、錯体、有機物などの光励起の原理や光物性について学習します。複合物性を理解するため、材料の磁気・電子物性についても学習します。異なる波長の電磁波を使って化学で扱う物質のキャラクタセーションを行うことができます。様々な分光法を題材に、それはどのような測定原理で成り立っているか?単に測定結果の解析に留まらない深い知識を身につけることでその理解を促します。

【授業の到達目標】
電磁波(光)の役割と本質、電磁波と電子の相補性を理解し、光励起や分光法の原理が適切に説明できるようになり、単なる測定結果の解析に留まらない物質とその機能の実践的応用性につながる幅広い深い知識を身につる。

【授業概要(キーワード)】
電磁波、電子、光励起、スペクトル

【科目の位置付け】
この授業は、化学に留まらない理学の関連分野に関わる高度で幅広い知識と教養を修得し、先端的研究を進める上での理論、実験法、技術等の構築に役立てるものです(理工学研究科(理学系)ディプロマ・ポリシー)。

【授業計画】
・授業の方法
板書して講義します。適宜、プリントを配布し説明します。教員からの一方通行ではなく、質疑応答形式で授業を進めます。併せて、演習も行います。
・日程
第1, 2回目 電磁波(光)に関する研究者とその歴史
第3~5回目 電磁波の本質、役割、電磁波と電子の相補性
第6~8回目 電子励起とボルツマン分布、錯体の発色の原理、基底状態と励起状態の電子配置、田辺-菅野のダイヤグラムと演習
第9回目 レーザーの原理、発光
第10, 11回目 電子スピンと磁気
第12, 13回目 電子スピン共鳴、核磁気共鳴の原理、演習
第14, 15回目 半導体、金属の光・電子物性

【学習の方法】
・受講のあり方
板書、口頭での説明、質疑応答した事項を整理しノートに記載するなどしてその理解に努める。
・授業時間外学習へのアドバイス
基礎的な概念から講義しますが、無機化学、有機化学、分析化学、物理化学などの幅広い基礎学力を備えていることが重要です。例えば、学部の授業で使った教科書をもう一度復習、お互いの分野の関わりを総合的に連携・理解できるようにして下さい。

【成績の評価】
・基準
電磁波(光)の役割と本質、電磁波と電子の相補性を理解し、光励起や分光法の原理、物質とその機能が適切に説明できることを合格の基準とします。
・方法
レポート70点+平常点(質疑応答、演習を含む)30点

【テキスト・参考書】
特にありません。適宜、プリントを配布します。

【その他】
・学生へのメッセージ
これまで断片的だった無機化学、有機化学、分析化学、物理化学などの知識を相互に結びつける能力を身につけることで、基礎から応用までの総合力を培って下さい。
・オフィス・アワー
基本的にいつでも対応します。理学部2号館205室に来てください。

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