分子進化遺伝学
 Molecular Evolutionary Genetics
 担当教員:半澤 直人(HANZAWA Naoto)
 担当教員の所属:理学部理学科
 開講学年:2年(平成28年度以前入学者)  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理工学研究科(理学系)博士前期課程  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
ヒトとモデル生物のゲノム情報の集積によって明らかになってきた生物進化の分子機構について、近年の様々な研究例を交えて学ぶ。

【授業の到達目標】
1.ゲノム情報(ビッグデータ)の検出、解析手法の概要について学び、関連する用語が正しく説明できる。
2.ゲノムデータに基づく進化解析の手法、様々な生物で明らかになってきた進化の分子機構を理解し、その概要を正しく説明できる。

【授業概要(キーワード)】
集団進化、ゲノム重複・遺伝子重複、遺伝子オントロジー、エキソン重複、エキソンシャッフリング、中立的分子進化・自然選択的分子進化

【科目の位置付け】
生物学分野の大学院生として必要な比較ゲノム解析、分子進化の解析手法、および関連する近年の研究成果を理解する。

【授業計画】
・授業の方法
資料を事前に提示し、パワーポイント等の視聴覚機材を使用しながら解説する。
・日程
1.集団の遺伝的多様性の解析
2.集団間の遺伝的分化の解析
3.ゲノム多様化の機構
4.ゲノム情報に基づく生物の系統進化の解析1
5.ゲノム情報に基づく生物の系統進化の解析2
6.中立的分子進化と自然選択的分子進化
7.動物の表現型の適応的進化の分子機構1
8.動物の表現型の適応的進化の分子機構2
9.下等無脊椎動物のゲノム再編機構
10.ゲノム多様性から見た海洋動物の進化1
11.ゲノム多様性から見た海洋動物の進化2
12.ゲノム多様性から見たモデル動物の起源と研究への応用
13.ゲノム多様性から見たヒトの起源
14.ゲノム多様性から見た現代人の起源と進化
15.講義のまとめ、レポート課題に関する解説

【学習の方法】
・受講のあり方
理解できなかった内容は質問するか、自分で調べて理解する。学んだことを必ず各自の研究に生かす。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義に関連する専門書や論文に目を通し、インターネットで調べる。

【成績の評価】
・基準
専門用語を正確に理解している。ゲノム多様化の分子機構、生物進化の分子機構を理解している。生物進化に関する最近の研究成果を知っていて、正確に説明できる。
・方法
専門用語の理解度 40%
機構・進化の現象の理解度 30%
論理的思考能力 30%

【テキスト・参考書】
テキストは使用しない。下記の参考書を利用すること。
 村松正實・木南凌監修. 村松正實・笹月健彦・木南凌・辻省次監訳.ヒトの分子遺伝学.第4版.メディカル・サイ エンス・インターナショナル.
 ワトソン他著. 遺伝子の分子生物学. 第5版. トッパン.
 斉藤成也.ゲノム進化学入門.共立出版.

【その他】
・学生へのメッセージ
学部で学んだ遺伝の現象、生物進化の分子機構に関連して、最新の研究成果を紹介しながら解説する。

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