【授業の目的】
陸上植物の多様性・普遍性の分子基盤、特殊に進化した植物である菌従属栄養植物、植物細胞内での物質の移動、葉緑体の分裂とその進化、植物における細胞骨格と細胞壁の構造、及び植物細胞のリプログラミングなどについて学ぶ。
【授業の到達目標】
陸上植物のモデルとしての利点やその整備状況が適しているゼニゴケに着目し、その具体的な研究内容が分かるようになる。また、必要な栄養を光合成に代わって共生する菌に依存する奇妙な菌従属栄養植物を詳しく知ることで、植物の多様性が深く理解できるようになる。さらに、環境変化に応じて柔軟にその形を変えることができる植物細胞の制御機構についても分かるようになる。
【授業概要(キーワード)】
ゼニゴケ、菌従属栄養植物、膜交通経路、葉緑体の分裂、植物細胞の構造、植物細胞の可塑性
【科目の位置付け】
この授業は、陸上植物の多様性・普遍性、特殊に進化した植物、植物細胞内の膜系、葉緑体の分裂機構、植物細胞内のモータータンパク質、細胞壁の構造と機能の多様性、及び植物の幹細胞について、それらの最新知見を学び、共通に求められる基盤的な素養、幅広い知識、多元的な視点・思考法を身に付ける。
【授業計画】
・授業の方法
下記のテキスト及び配布された資料を中心として、その内容を詳しく解説する。
・日程
①オリエンテーション、②ゼニゴケの特徴とゲノム、③ゼニゴケも分類学と形態学、④ゼニゴケの細胞生物学、コケ類のストレス応答と休眠、ゼニゴケのCLE遺伝子、⑤ゼニゴケの有性生殖、⑥菌従属栄養植物の系統と送粉様式、⑦菌従属栄養植物の菌根共生系と進化、⑧膜交通経路の多様性と植物のポストゴルジ輸送網、⑨葉緑体の分裂制御機構、⑩植物の細胞骨格と細胞壁、⑪カルス形成の分子メカニズム、⑫植物における傷の修復再生、切断された植物組織の癒合、⑬コケの幹細胞誘導機構、細胞分裂の光制御、⑭根粒の初期発生、⑮まとめ 以上を予定しているが、変更することもある。
【学習の方法】
・受講のあり方
担当教員が話す内容を100%理解できるように、集中して聞くこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
下記のテキストを授業の前に読んで、ある程度理解しておく。
【成績の評価】
・基準
授業参加状況、受講態度、学生からの質問内容、学生の論議内容、及び学生からの返答内容の適切さを総合的に評価する。
・方法
授業参加 →60点 受講態度 →20点 学生からの質問内容・学生の論議内容・学生からの返答内容 →20点
【テキスト・参考書】
「植物科学最前線」日本植物学会 編集
【その他】
・学生へのメッセージ
受講を希望する場合は、必ず事前に担当教員の研究室に来てください。その研究室は、基盤教育1号館(地域教育文化学部2号館)の東側の玄関を入って、左手のエレベーターで5階まで上がり、目の前の「リフレッシュルーム」の1つ東側の部屋で、「531 加藤(良)研究室」です。
・オフィス・アワー
担当教員への連絡は、rkato@e.yamagata-u.ac.jp にメールしてください。
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