物質循環科学特論Ⅰ
 Advanced Lectures on Earth Material Cycles I
 担当教員:柳澤 文孝(YANAGISAWA Fumitaka)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:1年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理工学研究科(理学系)博士前期課程  科目区分:分野専門科目(地球科学分野) 
【授業の目的】
地球表層物質の循環過程を明らかにするため、安定同位体がトレーサーとして用いられることが多くなっている。自分の専門分野で用いられている
物については熟知しているが、専門分野以外で用いられている物についての知識は充分とは言い難い。また、自分の専門分野で用いられている物で
あっても、基礎的な知識は充分とは言えない状況である。そこで、地球科学で用いられている安定同位体について、基礎的な情報を身につけること
をめざす。そのため、「安定同位体地球化学」を教科書として、その安定同位体が用いられるようになった歴史的経緯をはじめとして、基礎的な事
項を学ぶ。

【授業の到達目標】
地球表層物質の循環過程を明らかにするため、安定同位体がトレーサーとして用いられることが多くなっている。地球科学で用いられている安定同位体について基礎的な情報を理解し、説明できるようになることが目標である。

【授業概要(キーワード)】
安定同位体、物質循環、トレーサー

【科目の位置付け】
理工学研究科(理学系)学位授与の方針(ディプロマー・ポリシー)の「理系プロフェッショナルとしての自覚と実践的な研究能力を身に付け、先端的な研究内容を理解し説明できる能力を有する。」に相当している。
理工学研究科(理学系)教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)の「理工系人材に対して分野にかかわらず共通して求められる基礎的な素養、幅広い知識、多元的な視点・思考法の修得を目的に開講する。」に対応する。

【授業計画】
・授業の方法
教科書である「安定同位体地球化学」を分担し、パワーポイントを使って発表する(1発表40−60分程度)。発表内容について質疑応答する(30分程度)ことで知識を深める。質疑応答で出された質問や疑問等を参考にして文献調査を行い、発表内容を修正してレポート(パワーポイントのファイル)として提出する。
・日程
第1回:ガイダンスと発表分担の割り振り(発表する章、および、発表順番を発表者間で調整するため、発表回と発表内容が入れ替わることがある。)
第2回:発表のための準備
第3回:発表(研究史と分析法 1−1章から1−3章)
第4回:発表(水素・酸素・天水 4−1章から4−3−1章)
第5回:発表(水素・酸素・温泉 4−3−2章から4−6章)
第6回:発表(炭素・サイクル 5−1章から5−2章)
第7回:発表(炭素・循環 5−3章から5−4章)
第8回:発表(硫黄・大気 6−1章から6−2章)
第9回:発表(硫黄・熱水 6−4章)
第10回:発表(硫黄・マグマ 6−5章)
第11回:発表(水素・酸素・岩石 8−1章)
第12回:発表(水素・酸素・メルト 8−2章)
第13回:発表(水素・酸素・熱水 8−4章から8−5章)
第14回:レポート作製のための文献調査
第15回:レポートの提出

【学習の方法】
・受講のあり方
質疑応答に積極的に参加してください(一人一回一質問)。
・授業時間外学習へのアドバイス
発表内容について疑問に思ったことをインターネットなどで調べる習慣をつけてください。

【成績の評価】
・基準
地球科学で用いられている安定同位体について基礎的な情報を理解し、説明できるようになることを合格の基準とします。
・方法
発表(50%)、レポート(50%)で評価する。

【テキスト・参考書】
テキスト:酒井均・松久幸敬著 安定同位体地球化学 東京大学出版会

【その他】
・オフィス・アワー
在室中はいつでも。

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