地球物質科学特論Ⅰ
 Advanced Lectures on Earth Material Science I
 担当教員:伴 雅雄(BAN Masao), 加々島慎一(KAGASHIMA Shin-ichi), 湯口 貴史 (YUGUCHI Takashi)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:1年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理工学研究科(理学系)博士前期課程  科目区分:分野専門科目(地球科学分野) 
【授業の目的】
この授業は、地球物質学分野における深化した知識の修得及びその知識の応用能力を修得することを目的とします。これによって各種地球物質の特徴・生成過程・生成場との関係などに関する深化した専門的知識を得て、それを応用することができるようになるでしょう。

【授業の到達目標】
(1)岩石鉱物学の深化した知識を習得し、その知識を応用することができる(2)大陸形成論の深化した知識を習得し、その知識を応用することができる(3)火山物質に関する深化した知識を習得し、その知識を応用することができる。

【授業概要(キーワード)】
マグマ、造岩鉱物、岩石形成、大陸地殻、地質年代、火山物質

【科目の位置付け】
理工学研究科博士課程前期の「教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)2.専門分野における深化した知識の習得を目的に、各専攻において体系的な講義と演習科目を開講する」に対応する。

【授業計画】
・授業の方法
地球物質の源はマグマです。マグマからもたらされた地球物質について、岩石鉱物学的、大陸形成論的、火山物質学的観点から、深化した専門知識を講義します。また、その知識を用いて重要な発見や理論に結びつける能力を養うために、応用例についても取り上げます。なお、火山噴出物を実際に観察しながら説明を行うことも予定している。この観察には丸1日を要し、また野外調査の基本も習得している必要があるので注意すること。
・日程
第1回:地球物質の岩石鉱物学—鉱物の結晶光学(光学的異方体)(担当:湯口)
第2回:地球物質の岩石鉱物学—鉱物の結晶光学(干渉色と偏光顕微鏡観察)(担当:湯口)
第3回:地球物質の岩石鉱物学—鉱物の化学的特徴(EPMAの原理と分析値の扱い)(担当:湯口)
第4回:地球物質の岩石鉱物学—鉱物の化学的特徴(鉱物の形成環境の推定)(担当:湯口)
第5回:これまでのまとめと発達度評価(担当:湯口) 
第6回:大陸形成の地球物質学—地球史(担当:加々島)
第7回:大陸形成の地球物質学—太古代・原生代の大陸(担当:加々島)
第8回:大陸形成の地球物質学—古生代の大陸(担当:加々島)
第9回:大陸形成の地球物質学—現在の大陸(担当:加々島)
第10回:これまでのまとめと発達度評価(担当:加々島)
第11回:火山の地球物質学—火山の地球物質学的特徴(担当:伴)
第12回:火山の地球物質学—火山物質の特徴(種類と産状)(担当:伴)
第13回:火山の地球物質学—火山物質の特徴(個別の特徴及び野外あるいは標本観察)(担当:伴)
第14回:火山の地球物質学—火山物質の特徴(野外あるいは標本観察)(担当:伴)
第15回:これまでのまとめと発達度評価(担当:伴)

【学習の方法】
・受講のあり方
パワーポイントで示される内容を適宜書き写し、内容の理解に努めること。授業内容に合わせたレポートや岩石データの解析を課します。それをこなすことによって知識を身につけるようにすること。
適宜質疑応答の時間を設けるので積極的に発言するように。
・授業時間外学習へのアドバイス
鉱物学、岩石学、火山学、地球史学、地球化学の基礎の復習を行った上で授業に臨むこと。授業内容をまとめた上で、関連する書籍などを参考にさらに理解を深めること。

【成績の評価】
・基準
授業を通して得られた深化した専門知識に基づき、様々な地球物質についてその特徴を適切に把握でき、それらの生成過程や生成場について正しく判断することができるようになることが合格の基準です。
・方法
目標への到達度をレポート(50%)と試験(50%)で評価します。5回毎にその間のレポートや試験を基に達成度評価を行い、それらを平均して総合点とします。

【テキスト・参考書】
テキスト: なし。適宜プリントを配布します。
 参考書 : 都城・久城著「岩石学」I・II・III 共立出版1975・1977;久城・荒牧・青木編著「日本の火成岩」岩波書店1989;巽好幸「沈み込み帯のマグマ学」東大出版会1995;高橋正樹「島弧・マグマ・テクトニクス」東大出版会2000;周藤賢治・小山内康人「記載岩石学」「解析岩石学」、共立出版2002

【その他】
・学生へのメッセージ
「大陸」「太古の地球」「火山」といった巨視的な地質学の醍醐味を感じてほしいとともに、身近な試料・データから地球の全体への理解とつながることを再認識してもらいたい。
・オフィス・アワー
授業終了後

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