【授業の目的】
海洋の表層に生息していた微化石に関する近年の成果を紹介し、地層の年代決定や海洋生物相の復元について論じるとともに、気候変動や古地理などを統合した地球環境の復元法を講究する。特に新生代新第三紀から第四紀の地史をテーマとする。
【授業の到達目標】
海洋底に残された微化石の記録から生物進化の歴史や地球環境の変遷を解明するための手法を学ぶ。微化石の種類、分類体系、古生態および統計解析法などを進化古生物学と層位古生物の両面から追究する。そして、代紀世期、界系統階、種属科目綱門界などの基本的な学術単位を自由に使いながら、海洋古環境の変遷史について自ら解説できるように技量を磨く。
【授業概要(キーワード)】
国際深海科学掘削計画、フィールドワーク、世界の地質
【科目の位置付け】
理工学研究科博士前期課程(理学系)のカリキュラム・ポリシー2に準拠する。高度な専門知識の修得を目的に、体系的な講義、演習を開講する。
【授業計画】
・授業の方法
教科書を精読するゼミ形式で行う。
・日程
第1〜5回 地球史科学に関する海外学術調査(本山)
第6~10回 地質年代学と第四紀・層序単元と地質年代尺度・国際対比と古地磁気編年・微化石と微化石層位学(丸山)
第11~15回 気候層序編年と氷期・間氷期サイクル・海洋酸素同位体ステージと層序編年・炭素14年代と暦年較正・更新世の気候変動と海洋循環・深海掘削計画と古海洋学の進歩(丸山)
【学習の方法】
・受講のあり方
教員からの一方通行の授業ではなく、学生同士による発表と質疑応答によって授業を進めたい。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業の進行にしたがって、輪読の順番等、各人の割り当てを決める。回を重ねるごとに知識の連携が必要になるので、教科書の該当箇所を自分で探し出すこと。
【成績の評価】
・基準
学術用語を正確に読めるか、その内容を的確に説明できるかという観点から判定する。期末レポートを課す。ゼミでの発表、討論、質疑応答も評価項目としてそれぞれ等価に評価する。
・方法
平常時の発表・討論を80%、期末レポートを20%として、得点の総和をもって評点とする。
【テキスト・参考書】
テキスト:町田 洋ほか編著 「第四紀学」 朝倉書店 参考書: 小泉 格著 「図説 地球の歴史」 朝倉書店 参考書: 長谷川・中島・岡田著 「フィールドジオロジー2 層序と年代」 共立出版 参考書: サイボルト・バーガー・新妻著 「海洋地質学入門」 シュプリンガー・フェアラーク東京 参考書: 谷村好洋・辻 彰洋編著「微化石:顕微鏡で見るプランクトン化石の世界」東海大学出版会 参考書: De Wever, P., Dumitrica, P. and others, Radiolarians in the Sedimentary Record. Gordon and Breach Science Publishers.
【その他】
・学生へのメッセージ
実現可能なキャリアとして「ちきゅう」や「みらい」の乗船研究者やテクニシャンをめざしてください。
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