【授業の目的】
英語の統語論・意味論・機能論 英語の諸構文の中には、その文法的特徴の分析にあたって、複数の異なる枠食いによる分析が拮抗しているものがある。本講義では、特に、形式統語論と機能論や意味論の枠組みで分析が拮抗する現象を考察し、当該の文法現象の理解にとどまらず、各枠組みの特徴とその分析の視点の理解を目指す。
【授業の到達目標】
各枠組みによって文法現象を説明することができる。 当該文法現象の理論的意義を説明し、研究課題を定義することができる。
【科目の位置付け】
人間科学分野・言語科学領域・特論
【授業計画】
・授業の方法
講義形式である。講義を通して新たな概念や分析手法、その背後にある形式統語論・機能論・意味論の考え方を考察する。 分析手法およびその際に用いる諸概念に数学的側面があり実践が必要であることから、適宜、課題を設けて学習した概念・分析方法の応用問題に取り組みながら授業を進める予定である。 なお、単一の言語現象に対して2つの異質であるが表面上拮抗する分析がある場合、評価の基準は、主に、当該の分析が採用する仕組みや概念が人間言語の仕組みとして妥当なものであるか否かとその分析が言語現象を正しく説明できているか否かという点に集中する。これらの点にも目を向けながら考察を行う。
・日程
次の2つの大項目に関して順番に検討する。 ①照応関係 ・構造関係と束縛 ・anaphorとlogophor ・代名詞とanaphorの相補分布 ②否定の作用域と否定極性表現の分布 ・構造関係とc統御 ・否定極性表現 ・entailment/monotonicity ③場所項倒置構文(locative inversion) ・構造的条件 ・非対格動詞unaccusativesと非能格動詞unergatives ・フォーカスの提示機能
【学習の方法】
・受講のあり方
考えか・分析方法等を身につけることに加えて、それを実際の分析に応用する意識を持つこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業内容を復習することによって、内容の理解を深めることが必要である。 また、批判的視点で内容を吟味し、理論的な不備や研究の進展方向を模索する態度が望まれる。
【成績の評価】
・基準
授業で取り上げて諸概念と分析手法、および、理論的考え方に関する理解度を評価する。
・方法
学期末レポート100点。 なお、出席が10回以下の場合、60点未満の成績となる。
【テキスト・参考書】
テキストなし。 授業開始時に、関連する論文を紹介する。
【その他】
・オフィス・アワー
1年間を通して火曜日16:30-17:50@研究室
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