日本語史特論Ⅱ
 Lecture on Historical Japanese Linguistics (II)
 担当教員:中澤 信幸(NAKAZAWA Nobuyuki)
 担当教員の所属:文化システム専攻
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
《日本漢字音研究》
 漢字音研究には長い伝統があります。漢字の起源は中国ですが、日本に伝えられた後も、漢字音はさまざまな形で研究されてきました。その日本漢字音研究について、仏教経典、漢詩を中心に見ていきます。あわせて日本漢字音と関係が深い台湾語についても学習していきましょう。

【授業の到達目標】
 中国語音韻史、特に中古中国語音に関する知識を習得できる。日本に輸入された韻書・韻図について知ることができる。また仏教経典や漢詩の押韻・平仄について説明できるようになる。あわせて台湾語の基礎を習得できる。

【授業概要(キーワード)】
 漢字音研究 中国語中古音 韻書・韻図 仏教経典 漢詩 台湾語

【科目の位置付け】
 人間科学分野 言語科学領域 特論

【授業計画】
・授業の方法
 配布プリントと板書による講義を行います。講義終了時に課題(ミニレポート)を出し、次の講義の始めに回収します。
・日程
 第1回 日本漢字音とは
 第2回 漢字音の伝来と呉音・漢音
 第3回 中国語音韻史
 第4回 現代中国語音と日本漢字音
 第5回 中国語諸方言音
 第6回 朝鮮漢字音とベトナム漢字音
 第7回 仏教教学と呉音
 第8回 音義と辞書について
 第9回 漢文読書と中国語音学習
 第10回 漢詩制作と押韻
 第11回 漢詩を作ってみよう
 第12回 日本人による呉音・漢音の整備
 第13回 字音仮名遣いについて
 第14回 日本漢字音のこれから
 第15回 全体のまとめとレポートの説明

【学習の方法】
・受講のあり方
 講義では適宜必要事項を黒板に記していきます。また口頭で補足することもあります。それらの情報について、適宜要領よくノートを取ってください。
・授業時間外学習へのアドバイス
[予習のあり方]参考書にあらかじめ目を通しておいてください。
[復習のあり方]講義終了時に課題(ミニレポート)を出しますので、次回までに各自の回答を作成しておいてください。また質問事項・感想等も記入してください。

【成績の評価】
・基準
 ①毎回のミニレポート(講義終了時に課題を出す)、②期末レポートの2つで評価します。基準は1) 中国語音韻史に関する知識が習得できているか、2) 日本に輸入された韻書・韻図や、仏教経典、漢詩について説明できているか、です。
・方法
 ミニレポート(30%)・期末レポート(70%)

【テキスト・参考書】
[テキスト]
 近藤綾・温浩邦『すぐ使える! トラベル台湾語』(日中出版、2007)
[参考書]
 小倉肇『日本呉音の研究』(新典社、1995)
 沼本克明『日本漢字音の歴史的研究 体系と表記をめぐって』(汲古書院、1997)
 佐々木勇『平安鎌倉時代における日本漢音の研究』(汲古書院、2009)

【その他】
・学生へのメッセージ
 漢字音研究にはさまざまな歴史的変遷があります。この漢字音研究を見ることで、ご自分の研究についてもじっくりと考えてみましょう。
・オフィス・アワー
 火曜日 13時~17時 中澤研究室(人文社会科学部1号館4階409号室)
 アポイントにより他の時間帯での面談にも応じます。(電子メール nakazawa@human.kj.yamagata-u.ac.jp で予約すること。)

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