【授業の目的】
《小川尚義の日本語と台湾語の研究について見る》 台湾総督府の小川尚義によって編纂された『日台大辞典』(1907年刊)は、初めての本格的な日本語と台湾語との対訳辞書です。この緒言は、日本漢字音と中国語諸方言音に関する詳細な記述となっています。またこれに付載される「日台字音便覧」は、日本漢字音と台湾語音との初めての本格的な対照研究と言えます。加えて小川には『国民読本参照 仮名遣法』(1902年刊)という著作もあります。この授業では小川の著作を読むことで、当時の日本語と台湾語の研究について見ていきます。あわせて台湾語についても学習していきましょう。
【授業の到達目標】
日本統治期台湾における日本語と台湾語の研究について説明できるようになる。日本語および中国語諸方言に関する知識を習得できる。あわせて台湾語の基礎を習得できる。そして修士論文を執筆するための研究手法を見出すことができる。
【授業概要(キーワード)】
小川尚義 日台大辞典 日本語 中国語諸方言 台湾語
【科目の位置付け】
人間科学分野 言語科学領域 特別演習
【授業計画】
・授業の方法
『日台大辞典』の緒言、本編、および「日台字音便覧」を読み進め、その内容について発表します。また『国民読本参照 仮名遣法』を読み進め、その内容についても発表していきます。あわせて台湾語の学習も進めていきます。
・日程
第1回 ガイダンス、『日台大辞典』について 第2回 『日台大辞典』緒言について 第3回 緒言 輪読と発表① 第4回 緒言 輪読と発表② 第5回 本編 輪読と発表① 第6回 本編 輪読と発表② 第7回 「日台字音便覧」について 第8回 字音便覧 輪読と発表① 第9回 字音便覧 輪読と発表② 第10回 『国民読本参照 仮名遣法』について 第11回 仮名遣法 輪読と発表① 第12回 仮名遣法 輪読と発表② 第13回 仮名遣法 輪読と発表③ 第14回 仮名遣法 輪読と発表④ 第15回 全体のまとめとレポートの説明
【学習の方法】
・受講のあり方
授業では適宜必要事項を黒板に記していきます。また口頭で補足することもあります。それらの情報について、適宜要領よくノートを取ってください。またここで身に付けた研究手法を、将来の修士論文執筆へつなげられるようにしてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
[予習のあり方]参考書にあらかじめ目を通しておいてください。 [復習のあり方]授業終了時に課題(ミニレポート)を出しますので、次回までに各自の回答を作成しておいてください。また質問事項・感想等も記入してください。
【成績の評価】
・基準
①毎回のミニレポート(授業終了時に課題を出す)、②発表、③最終レポートの3つで評価します。基準は1) 日本統治期台湾における日本語と台湾語の研究について説明できているか、2) 将来修士論文を執筆するための研究手法を見出すことができているか、です。
・方法
ミニレポート(30%)・発表(30%)・最終レポート(40%)
【テキスト・参考書】
[参考書] 林初梅『小川尚義論文集 復刻版』(三元社、2012)
【その他】
・学生へのメッセージ
日本統治期の台湾における日本語と台湾語の研究は、現在でも通用する水準の高いものでした。当時の研究を見ていくことで、ご自分の研究にも生かしていきましょう。
・オフィス・アワー
火曜日 13時~17時 中澤研究室(人文社会科学部1号館4階409号室) アポイントにより他の時間帯での面談にも応じます。(電子メール nakazawa@human.kj.yamagata-u.ac.jp で予約すること。)
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