東南アジア文化論特別演習
 Southeast Asian Culture; Special Seminar
 担当教員:今村 真央(IMAMURA Masao)
 担当教員の所属:文化システム専攻
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本演習では、東南アジアという地域を世界史の大きな流れの中で把握することを狙いとします。東南アジア研究の大家ジェームズ・スコットの『ゾミア:脱国家の世界史』をテキストに、東南アジアの山地に焦点を当てます。この地域における「国家に抗する社会」を歴史的に考察し、アナキズム論を批判的に論じていきます。

【授業の到達目標】
テキストを批判的に解読し、その内容及びそれに対する考察を説明できるようになること。自らの思考と分析を学術論文の形で伝える力を身につけること。

【授業概要(キーワード)】
東南アジア、山地、国家に抗する社会、ゾミア、アナキズム、世界史

【科目の位置付け】
本授業を通して履修生は、(1) 東南アジア山地史の知識、(2)「国家に抗する社会」について考察する力、を習得します。

【授業計画】
・授業の方法
全10章からなる本を、最初の11週で完読し、最後の4週間を小論文執筆に当てます。履修生による「考察ノート」をもとにしたディスカッションが授業となります。ディスカッションへの参加は必須です。
・日程
第1回 イントロダクション
第2回 「山地、盆地、国家――ゾミア序論」
第3回 「国家空間――統治と収奪の領域」
第4回 「労働力と穀物の集積――農奴と灌漑稲作」
第5回 「文明とならず者」
第6回 「国家との距離をとる――山地に移り住む」
第7回 「国家をかわし、国家を阻む――逃避の文化と農業」
第8回 「口承、筆記、文書」
第9回 「民族創造――ラディカルな構築主義的見解」
第10回 「再生の預言者たち」
第11回 「結論」
第12回 論文の書き方:「問い」の設定(「問い」の提出)
第13回 論文草稿
第14回 論文改稿
第15回 論文最終稿
進捗状況によって計画を調整することがありうる。

【学習の方法】
・受講のあり方
履修生には、担当の章を読んだ上で考察(500文字以上)を書き、授業前の火曜日までに提出することが求められます。この考察ノートはまとめて、担当教員から全履修生にメールで水曜日に配られるので、履修生は授業前に考察ノートをすべて読んで来てください。 履修生一人につき3章分担当の予定ですが、クラスの規模によって調整されるかもしれません。
・授業時間外学習へのアドバイス
履修生は、毎週担当の章を必ず読んで授業に臨むことと、毎週のディスカッションへの参加が求められます。

【成績の評価】
・基準
「主体的な参加の度合い」、「知識の修得の度合い」、「理解の度合い」、「汎用的技能の修得の度合い(論理的思考力、文章表現力など)」の4つの評価基準で評価します。
・方法
①考察ノート 30%
②授業参加・ディスカッション 40%
③小論文 30%

【テキスト・参考書】
ジェームズ・C・スコット (著),『ゾミア. 脱国家の世界史』(みすず書房)

【その他】
・学生へのメッセージ
厚い本ですが、知的刺激に満ちた面白い本です。書いたものを他の履修生とシェアし、議論していきますので、読む力だけでなく、書く力と話す力が身につきます。
・オフィス・アワー
木曜日 14:00 - 16:00

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