【授業の目的】
「西洋美術に見る〈芸術家〉のイメージ」 西洋美術の歴史において、作品の作り手である〈芸術家〉が、人々に、あるいは作家自身によってどのようにイメージされてきたかを概観します。これらを通し、芸術家が社会において果たしてきた多様な役割を理解し、〈芸術〉や〈芸術家〉という観念が歴史的に一定不変のものではなく、つねに時代風潮や作者の欲望を反映しながら変動する存在であったことを学びます。
【授業の到達目標】
〈芸術家(アーティスト)〉という言葉が意味する内容について、その歴史的な変化を理解し、各時代の美術家たちが、自らの職業の地位向上のためにどのような理論と実践を試みてきたかを理解できるようになる。
【科目の位置付け】
文化システム専攻・国際文化論・欧米文化
【授業計画】
・授業の方法
芸術家たちと彼らをとりまく社会の状況を時代順にたどり、各時代のトピックの意義や問題点について検討します。途中数回は、授業で得た知見をもとに特定のテーマに関する調査をおこない、受講者各自で発表をおこないます。
・日程
以下の流れにそって、講義をおこないます。 1.ガイダンス 2.古代ギリシャ・ローマ ~ 職人としての芸術家 3~4.中世 ~ 機械学芸としての美術 5.ルネサンス(1) ~ 学識ある芸術家 6.ルネサンス(2) ~ 芸術家の想像力 7.ルネサンス(3) ~ 創造性の秘密 8.ルネサンス(4) ~ 芸術家の自己イメージ 9.ルネサンス(5) ~ 「画家」対「彫刻家」 10~11.バロックからロココへ ~ 制度化される芸術 12.新古典主義とロマン主義 ~ 天才としての芸術家像 13.近代美術 ~ アヴァンギャルド(美的前衛)の問題 14.現代美術 ~「芸術家」像の解体 15.まとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
毎回、スライドで作品を提示しながら問題点を論じてゆきます。配布資料はレジュメではないので、各自、ノートに要点をまとめるよう心がけてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
あつかうテキストの範囲が指定される場合は、必ず該当箇所を読んでくるようにしてください。
【成績の評価】
・基準
授業への取り組み(平常点)と期末レポートにより、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いを判定します。基準は、1) 「芸術家」という言葉がもつ幅広い意味内容を理解できる、2)芸術家の社会的地位向上にかかわる理論と実践を理解できる、の二点です。
・方法
授業への参加度(40%)、発表内容(30%)、レポート(30%)
【テキスト・参考書】
毎回のテキストについては基本的にコピー配布で対応します。
【その他】
・オフィス・アワー
金曜日16:20-17:50 (その他在室時随時)石澤靖典研究室(1号館4階) メールアドレス:ishizys@human.kj.yamagata-u.ac.jp
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