絵画・版画表現演習
 Seminer of painting and printing
 担当教員:八木 文子(HUMIKO Yagi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
・ 絵画及び版表現を基礎として造形的創造活動に展開できる鑑賞・提示方法の可能性を探究することを目的とする。
・提供された技術を活かして応用できる能力を養うことを目的とする。
・作品を発表するための知識と方法を習得し、主体的に活動できる能力を養うことを目的とする。
・作品構想とコンセプトを考案し、(第1回~第4回)実践と実例について考察する。(第5回~第9回)素材の保存や耐久性についての検証と図録制作を通じて社会的条件を踏まえた所有関係、管理・流通について考察する。(第10回~第15回)

【授業の到達目標】
・ 芸術活動による社会への関わりの基本精神を理解し、現代社会における芸術表現及び鑑賞の変容と多様化を踏まえた実践的活動・制作の方法を創造できる。
・ 自己と社会との関係の中で現在を確認し、過去の作品や表現を現代の視点で見直すことができる。
・ 絵画及び版表現を自分・物・社会を関係づける創造物として捉えることができる。

【授業概要(キーワード)】
社会・素材・保存・耐久性・表記

【科目の位置付け】
この授業は造形芸術における多様な表現力と造形理論を修得し、地域社会において実践的に活用できる能力を培うものである。(地域教育文化研究科ディプロマポリシー)

【授業計画】
・授業の方法
作品制作を中心とした演習による授業形式
・日程
第1回 鑑賞形態、提示方法の考察及び制作計画の考案:絵画・版表現における展示方法としては今日の芸術作品が絶対的なアクセントを展示的価値に置く事によってこれまでとは異なった様々な機能をもつようになった。また、版表現に限れば複数芸術としての展示の可能性は飛躍的に増大した。これらを受けて自らの作品の完成図として現代における新しい作品鑑賞形態、提示方法の可能性を考察する。
第2回 作品構想とコンセプトの考案:展示機能は作品そのものの機能と密接に関わり制作過程=プロセスにも微妙な核心に触れる。第1回に考察された展示方法の案を基に作品自体のコンセプトを立案する。
第3回 技術紹介・制作における素材、技法の選択:絵画・版表現における専門的かつ応用的な技術を紹介する。また、自らのコンセプトに沿った技法の選択、耐久性を考慮に入れた素材を選択する。
第4回~第9回作品制作:作品の実例をもとに考察する。作品制作の第一段階としてプロセスごとのエスキースを作成する。エスキースにそって試作品モデルを作成する。素材収集、基底材作成等を行う。プランに沿って自らの作品の実制作(下地作り、描画等)を行う。
第10回 素材の耐久性について
第11回 素材の保存方法、作品の保存方法:素材、作品の保存について
第12回 表記・editionの管理と重要性:版表現においては複数という特質が絵画とは明確に区別される。複数芸術作品の表記方法、edition管理とその必要性について考察する。
第13回 梱包と額装:作品自体を社会に送り出す手段としての方法を実例をもとにに把握する。
第14回~ 第15回 作品自体を社会に送り出す手段という意識を持を基に自分・作品・複製・社会・流通をテーマに考察する。

【学習の方法】
・受講のあり方
各自の作品構想やコンセプトについて学生が主体的にディスカッションし、コミュニケーションを図りながら授業を展開する。
・授業時間外学習へのアドバイス
美術館、ギャラリー等の活用
文献の活用
紹介された作品、作家、技法などに関連する事項の調査

【成績の評価】
・基準
・ 芸術活動における社会的関わりとしての基本精神が理解されたか、実践的制作方法(コンセプト)が到達目標およびテーマの観点をふまえて具体化されたか、絵画及び版表現が社会と関係づけるものとして自らの表現に反映されたか、などを総合的に評価する。
・方法
・試作モデルのエスキース 50点
・試作モデル及びレポート 50点

【テキスト・参考書】
必要な資料は,配布または準備を指示する。
課題テーマに応じて紹介する。

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