デザイン・プロジェクト演習
 Seminar in Design and Project
 担当教員:武田 英幸(TAKEDA Hideyuki)
 担当教員の所属:地域教育文化学部非常勤講師
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
デザインイメージの情報は日常生活の中に潜んでいる。というより服飾デザインプロジェクトに必要な情報は「人」や「社会」からしか得られない。あらゆるデータを取り込みデザインの目的,条件,プロセスを探り,それらがセルフイメージをもって生活や社会で果たす役割を正しく認識し,いかに服飾デザインを行うか考察していく。と同時に,テーマ,イメージメイク,材料,製図,縫製という一連の作業を通して社会,人との一体化を目指すという服飾デザイン行為を繰り返しながら修得する。

【授業の到達目標】
ファッションデザインというものの役割を再考することにより単に「美しい」「格好良い」「流行(はや)っている」というだけの感覚ではなく,「人と衣」「衣と社会」「造形としての衣」の関係性を認識し,デザインの「力」による社会生活の活性化の可能性を説明できる。

【授業概要(キーワード)】
デザイン要素 イメージ 素材 フィードバック

【科目の位置付け】
学部で修得した造形芸術に関する基礎知識や技能を基に、それらを融合・発展させて具現化する過程で、さらに高度なデザインの専門知識や技能、応用力を身につけるための選択科目である。

【授業計画】
・授業の方法
具体的なテーマを設定し、それに基づいて議論を重ねデザイン的発想力を高め、服飾デザインの造形的可能性を追求する。
・日程
第1回:目的によるデザインの方向性;服飾デザインにおいて,デザインの使い分けは重要である。様々な場面にあった手法を研究する。
第2回:デザインと布の関係;なぜその在室の物が使用されているかその意味と素材の特性を知る。
第3回:日常生活の観察;現代のファッションデザインに感じる不満から未来のデザインを探る。
第4回:ファッションデザインに求めること;一般ユーザーが本当に「欲しい」「身につけてみたい」と思う服は何かを分析
第5回:ファッションセンス;人は自分を常に若々しく変化に富むイメージでデザインしておきたいというセンス。そのツールとしての服飾の役割を探る。
第6回:人をデザインする;現代社会で生活を行う場合,意としなくても何種類かの顔を持たなくてはならない場合もある。その時の演出としての服飾デザインとは。
第7回:造形としての「衣」;普通は人と一体となり「衣」の役割を果たすファッションデザインなのだが,対象となるものを外しテーマを設定し自分との対話相手としてファッションデザインを行う。イラストレーションに表現。
第8回:造形としての「衣」;第7回で表現したイラストについてプレゼンテーションと討議。
第9回:造形としての「衣」;前回に引き続き作品として感性させるためのデザインのアイデアの発展。デザインの測定を行う。
第10回:製作(1);型紙や立体裁断の手法の実習。
第11回:製作(2);状況に応じ縫製現場にて作業。随時アドバイスを行う。
第12回:製作(3);状況に応じ縫製現場にて作業。随時アドバイスを行う。
第13回:デザインテーマの確認;状況に応じ随時アドバイスを行う。
第14回:セルフイメージの確認;製作の仕上げ。
第15回:まとめ;完成作品についてプレゼンテーションを行う。

【学習の方法】
・受講のあり方
1)講義内容をノートに筆記して内容の理解に努める。
2)実習にふさわしい服装で、各自必要に応じて画材を持参する。
3)授業時間内に作品を完成させるため、ペース配分を確認しながら進める
・授業時間外学習へのアドバイス
街歩きは再考の学びの麦僊です。人が服を選んだり迷ったり,ヘアーメイクも同じです。これらの行為は全て自分自身をデザインする為の行為です。しかしデザイナーを志す君たちは「衣」という物だけを対象とするのではなく,その人そのもののデザインセンスやポリシーを感じたり分析したりする習慣を身につけてほしい。

【成績の評価】
・基準
各自のテーマに基づいた作品を制作することができて、その制作意図や原理について適切に説明できることを基準とします。
・方法
演習課題製作 50点
レポート・プレゼンテーション 50点
計 100点

【テキスト・参考書】
特にテキストは用いない。適時、参考書を紹介する。

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