地域産業開発演習
 Research in Local Industry
 担当教員:増田 尚紀(MASUDA Hisanori)
 担当教員の所属:地域教育文化学部非常勤講師
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
地域産業は第一次産業としての農林水産業や鉱業が基幹産業としてあるが,第二次産業としての工業を中心としながら,産業文化として今日に伝わっている技術とそれを支える生産者(職人・企業)の現状について,現場調査を中心に実践的に捉えていく。また,他の先進地域あるいは域内異業種等,複数の事例調査との比較・分析や,客観的評価の手法について理解し,新たな製品開発に向けた調査データの活用や,課題の提案方法に関する実践技能を高めていく。

【授業の到達目標】
地域産業を対象とした新たな製品開発に向けて,その成立の背景にある風土や歴史,今日に至るデザインの特徴や開発手法について調査・分析し,その現状について客観的に述べることができる。

【授業概要(キーワード)】
開発手法・職人・企業・風土・歴史

【科目の位置付け】
学部で修得した造形芸術に関する基礎知識や技能を基に、さらに高度な専門知識を身につけるための選択科目である。

【授業計画】
・授業の方法
地域振興に関わる伝統工芸を中心に現地調査等で理解を深める。
・日程
第1回 地域産業と風土(資源・気候・立地)との関係について講義する。
第2回 地域産業の成り立ちと発展(風土と歴史)の経緯について講義する。
第3回 日本、東北、山形および海外の伝統的工芸産業の概要と特徴について講義する。
第4回 調査研究1:合同実地調査①/地域産業を担う製造業者(メーカー・個人工房)数社を訪問し、製品の特徴(背景・材料・技法等)、デザインへの取り組み、経営全般について調査をおこなう。
第5回 調査研究2:合同実地調査②/地域産業を担う製造業者(メーカー・個人工房)数社を訪問し,製品の特徴(背景・材料・技法等)デザインへの取り組み、経営全般について調査をおこなう。
第6回 調査研究3:合同実地調査③/地域産業を担う製造業者(メーカー・個人工房)数社を訪問し,製品の特徴(背景・材料・技法等)デザインへの取り組み、経営全般について調査をおこなう。
第7回 調査研究4:実地調査①/合同実地調査①②および③をもとに,各自で調査対象(メーカーまたは個人工房等)を設定し,調査手法の技術を高める。
第8回 調査研究5:実地調査②/実地調査①をもとに調査項目を整理し,同業他社の状況について調査を加えることにより,産品の地域的特徴についてまとめる。
第9回 調査研究6:中間報告/実地調査①②の調査・考察結果についてまとめ発表する。
第10回 調査研究7:実地調査③/中間報告をもとに,他地域の事例について調査を加えることにより,産品および製造・流通環境等の地域的特徴について比較する。
第11回 調査研究8:実地調査④/文化および産業の側面からの行政施策や支援制度について調査を加える。
第12回 分析・評価研究1:調査研究(4~8)の結果をもとに,産品の地域的特徴を分かりやすく示すために,項目を整理しデータベースとしてまとめる。
第13回 分析・評価研究2:作成したデータベースの分析から,地域の課題を抽出し、抽出された複数の課題を整理し,開発へ向けた仮説を立案する。
第14回 分析・評価研究3:協力企業等へ仮説を提示し,開発の妥当性について検証する。
第15回 分析・評価研究4:開発課題の提案(プレゼンテーション・最終報告)を行う。

【学習の方法】
・受講のあり方
実地調査による分析力の向上に努める。
・授業時間外学習へのアドバイス
地域産業や風土に関わる文献・資料を集め、授業に臨んで欲しい。
収集した文献、資料を整理し、レポートに活かせるようにしておく。

【成績の評価】
・基準
①調査計画の立案,②データ収集の手法と範囲,③データ分析と客観的評価方法の理解,④情報伝達の工夫,⑤報告書の作成手法と内容
・方法
①各回調査レポートおよび中間報告書(50%),②プレゼンテーションおよび最終報告書(50%)

【テキスト・参考書】
各時間に必要な資料は,配付または準備を指示する。
各時間に,適宜紹介する。

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