生涯スポーツ論
 theory of lifelong sport
 担当教員:笹瀬 雅史(SASASE Masasi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本講義では、生涯にわたるスポーツをテーマとしてとらえ、いくつかのトピックスを選んで、社会学的視点から論ずる。本講義では現代の社会・生活構造の変化を踏まえて多様化するスポーツの諸相について概説する。主として生涯スポーツの観点から、地域スポーツ、ニュースポーツの創造、総合型地域スポーツクラブ、スポーツと環境問題、グローバル世界とスポーツについて取り上げる。
生涯スポーツに関する概念・歴史・現状についての基礎的理解を身につける。

【授業の到達目標】
現代社会・生活構造の変化を踏まえ、生涯スポーツの理念と歴史、現状および課題について、データと資料を活用して構造的に理解し、地域における生涯スポーツの展開・実践に必要な実践的理論を身につける。

【授業概要(キーワード)】
生涯スポーツ、生涯学習、発達

【科目の位置付け】
この授業は、生涯スポーツの諸問題について論理的に分析し、その解決策を提案する力を身につけるものである。

【授業計画】
・授業の方法
講義と演習
・日程
第1回 オリエンテーション、本講義の進め方。日本における生涯スポーツの歴史的展開と概念を説明し、講義で扱うトピックスを説明する。
第2回 社会・生活構造の変化とスポーツの多様化について、生涯スポーツの視点から講義する。明治以後の学校体育、戦後の社会教育、高度成長期のスポーツ大衆化を社会変化と関連して説明する。
第3回 地域社会とコミュニティ・スポーツを中心に講義する。1970年代以後のコミュニティ・スポーツ論の流れと特徴について論じる。
第4回 地域のスポーツイベントと地域活性化の課題について講義する。1980年代以後の地域社会の活性化とスポーツの関係を、北海道壮瞥町の昭和新山国際雪合戦ほかの事例を取り上げ、その成否と課題について論じる。
第5回 地域におけるニュースポーツの創造と生涯スポーツについて講義する。北海道釧路町の長ぐつアイスホッケー、幕別町のパークゴルフなどの先駆的事例と、地域スポーツの創造の意義と課題について論じる。
第6回 総合型地域スポーツクラブの現状と課題について講義する。スポーツ基本計画と総合型クラブの状況を全国データと県の事例を取り上げて論じる。
第7回 総合型地域スポーツクラブ創設の手法と住民の合意形成について講義する。クラブ創設の手続と住民の合意形成に関わる留意点を論じる。
第8回 住民参加型の地域スポーツ計画の作成手法を講義する。住民のスポーツニーズの把握手法と、参画的に計画立案する方法論を学習する。
第9回 スポーツクラブのNPO法人取得と指定管理者制度について講義する。総合型クラブをはじめスポーツ団体がNPO法人を取得する意義と取得手続・運営の留意点を説明し、指定管理者制度の概要と施設・団体の関係を論じる。
第10回 中高年齢者のライフステージと生涯登山について講義する。高齢化社会における生涯スポーツの例として登山を取り上げ、ライフステージに応じたスポーツへの関わり方について論じる。
第11回 登山の大衆化にともなう地域環境保全の課題について講義する。登山者の増加は、環境の荒廃をもたらしており、環境保全を視野に入れた登山教育と社会的課題があることを論じる。
第12回 地域社会とスポーツ・ボランティア、NPO団体の公的役割について講義する。スポーツの多様化と規模拡大の中で、スポーツマン・団体の社会的役割が重要なことを述べ、スポーツボランティアとNPO活動の役割と意義を論じる。
第13回 スポーツのグローバリゼイションについて講義する。グローバル化を政治経済、交通、マスメディアとの関係で論じ、スポーツがローカル→ナショナル→グローバル化していく過程を読む。
第14回 生涯発達・生涯学習とスポーツ 
第15回 まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
主体的・積極的な態度でのぞむこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業内容を咀嚼しておくこと。

【成績の評価】
・基準
平常点とレポート等による。
・方法
授業の到達目標およびテーマの観点から、態度(50%)、レポート(50%)等により評価する。

【テキスト・参考書】
特に使用しない。授業時に随時資料を配付する。

【その他】
・オフィス・アワー
随時。

22022020-2017-17-28302