スポーツ統計学特論
 Statistics in sports sciences
 担当教員:井上 功一郎(INOUE Koichiro)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
統計学は集団的なデータを客観的に観察し分析するための方法に関する学問であり,そこで用いられる各種解析は,修士論文をはじめとするスポーツ科学の学術論文執筆には不可欠なものである.統計解析方法を正しく理解するためには,ある一定の数学的知識への理解が求められるが,本授業では各解析方法の意味とパソコン(Excel)を使用した正しい解析手順の理解に特に重点を置いて解説する.また,スポーツに関する実験によるデータ取得から統計解析までの一連の過程を演習として実際に行うことで,修士論文執筆時に応用可能な知識と技能を養う.

【授業の到達目標】
数値データの客観的な観察・分析に必要な各種統計解析方法について学び,それをスポーツ科学のデータに正しく応用する.

【授業概要(キーワード)】
基本統計量,パラメトリック検定,ノンパラメトリック検定

【科目の位置付け】
本授業は,地域教育文化研究科文化創造専攻スポーツ科学分野内における修了要件上の選択科目である.スポーツ科学に関する数値データを客観的に分析し,その意味を正しく解釈するうえで必要となる統計学的知識と応用力を身につけるものである.

【授業計画】
・授業の方法
講義・演習
・日程
第1回:ガイダンス/本授業のねらいと統計学の重要性への理解
第2回:基本統計量/各種基本統計量(代表値・標準偏差)の算出と、その意味の理解
第3回:データ分布とパラメトリック・ノンパラメトリック検定/正規分布を中心とした各種データ分布の違いとそれに伴う検定方法の違いの理解
第4回:2群間の平均値の差の検定/対応のある・ないt検定の意味と実際の解析手順の理解
第5回:3群以上の平均値の差の検定①/分散分析と多重比較検定のしくみの理解
第6回:3群以上の平均値の差の検定②/一元配置分散分析(対応あり・なし)の理解
第7回:3群以上の平均値の差の検定③/二元配置分散分析(対応あり・なし)の手法と主効果・交互作用の理解
第8回:2変数間の関係性①/相関係数の意味と性質の理解
第9回:2変数間の関係性②/直線回帰分析の理解、直線関係と非線形(曲線)関係の違い
第10回:データの精度の検証/測定値の妥当性・信頼性・客観性についての理解
第11回:質的データ分析の基礎/調査データ(名義尺度・順序尺度)の分析方法の紹介
オリジナル研究の計画/研究計画の立案、取得するデータと必要な統計解析手法の選択
第12回:オリジナル実験の実施/計画した実験の実施とデータの取得
第13回:統計解析の実施と表・グラフの作成/取得したデータへの各種統計解析の実施
第14回:研究抄録とプレゼンテーション資料の作成/統計解析について正しく記述された研究抄録と発表資料作成方法の理解
第15回:研究プレゼンテーション/オリジナル実験の研究発表と授業の総括

【学習の方法】
・受講のあり方
授業の内容と自身の研究との関連についてよく考えながら受講すること.
・授業時間外学習へのアドバイス
知識と応用力を養うために,自分が所持している卒業論文や修士論文予備実験等のデータを使って授業の内容を復習すると良い.

【成績の評価】
・基準
授業への積極的な取り組み(50%)
統計学的解析方法(各解析方法の意味と手順)への理解度(50%)
・方法
上記の評価基準で総合的に評価する.

【テキスト・参考書】
各時間に必要な資料を配布する.
その他、適宜授業内にて紹介する.

【その他】
・学生へのメッセージ
各自課題保存用にフラッシュメモリー等のストレージを用意しておくこと.

22022230-2017-17-28314