健康スポーツ論
 Sports and Health Education
 担当教員:新井 猛浩(ARAI Takehiro)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
授業は,講義および演習で構成する。講義では,健康教育に関わる今日的な課題や情報を担当教員が提示する。演習では,個別の作業課題やグループ形式によるワークショップを行う。具体的な題材により受講者が健康教育における種々の学習方法を体験できるようにする。さらにプリシード-プロシードモデルによるヘルスプロモーション活動の展開についても扱うこととする。

【授業の到達目標】
生活習慣病をはじめ、現代の健康問題は人々の生活習慣や行動と深く関連するものが多い。この授業では、何が健康を増進し、何が健康を脅かすのかを知るとともに、健康に関連する行動がどのように成り立っているのかを理解できるようにする。その上で効果的に健康教育を実践できるような能力を身につけられるようにする。

【授業概要(キーワード)】
ヘルスプロモーション 保健行動 QOL

【科目の位置付け】
保健学的なアプローチについて扱います。

【授業計画】
・授業の方法

・日程
第1回: ガイダンス/授業の進め方や健康のとらえ方、ライフスタイルと健康について説明する。
第2回: 肥満のコントロール/肥満予防が生活習慣病予防の基本であることを説明する。肥満、高血圧症、高脂血症および動脈硬化と生活習慣病との関連について説明する。肥満の原因となる生活習慣の形成要因についても説明する。
第3回: 健康教育の考え方/健康教育とは何か説明する。健康、教育についてそれぞれ説明する。健康教育の定義・理念を踏まえた上で、健康教育の実際について担当者の役割も含めて説明する。
第4回: 健康教育とヘルスプロモーション/ヘルスプロモーションと健康教育・公衆衛生の相互関係について説明する。特にヘルスプロモーションにおける健康教育の位置について重点的に説明する。
第5回: 保健行動/保健行動の分類、保健行動を説明するモデルおよび保健行動の実行を支える条件について説明する。
第6回: プリシード-プロシードモデル/モデルの枠組みについて説明する。健康と健康リスクは複数要因によってもたらされること、それゆえ行動、環境、社会変化に対する影響力を持つためには、多次元的なあるいは多種領域に対する働きかけをしなくてはならないことを説明する。
第7回: 健康教育の方法/学習のきっかけ、技術・能力の習得および学習の継続についてそれぞれ説明する。
第8回: 健康教育の評価/評価の定義、評価の目的および評価方法の分類について説明する。また、評価のデザインと指標についても説明する。
第9回: 青少年の健康関連危険行動/喫煙、不健康な食行動、不適当な運動、アルコールや薬物乱用、性感染症や望まない妊娠が起こりうる性行動、故意または過失による傷害が生じうる行動について、それらに影響する要因も含めて説明する。
第10回: 健康教育の実際①/喫煙防止教育について扱う。
第11回: 健康教育の実際②/性感染症の予防教育について扱う。
第12回: 健康教育の実際③/安全教育、特にスポーツ活動中の事故防止について扱う。
第13回: 健康教育の実際④/歯の健康について扱う。
第14回: 健康教育の実際⑤/健康増進のための生活習慣形成の方法について扱う。適度な運動や朝食の摂取を習慣化するための指導について受講生とともに検討する。
第15回: まとめ/健康にとって望ましい自発的行動を導くという意味についてまとめ、スポーツ指導者としてこの授業で学んだことをどのように生かしていくか各自表現してみる。

【学習の方法】
・受講のあり方
実際の指導場面における具体的な働きかけを想定しながら授業に望んでほしい。
・授業時間外学習へのアドバイス
指示されたことや予め配布された資料等について授業までに確認してくること。
授業で取り上げた事柄を参考にして、具体的な指導方法や指導内容について自分なりのアイディアを考えてみるようにする。

【成績の評価】
・基準
ワークショップ等に主体的・積極的に参加し,設定された目標の到達に向けて努力しているか。
内容に対する理解や工夫等が見られたか。
健康教育の技法を身につけることができたか。
・方法
レポート及び表現内容等を中心に、総合的に判断し評価する。
レポートの配点を8割とする。

【テキスト・参考書】
<テキスト>「保健科教育」、杏林書院
<参考書>厚生統計協会「国民衛生の動向」

【その他】
・オフィス・アワー
月・火・金の12時から13時まで。

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