物理学Ⅰ
 Physics I
 担当教員:井坂 秀治(ISAKA Hideharu)1,新任教員2
 担当教員の所属:1:大学院理工学研究科(工学系)機械システム工学分野,2:
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門基礎科目・選択必修 
【授業の目的】
工学の基礎である物理学への理解を深めるために,力学および振動・波動現象についての基本的な知識を得ることを目的とする.まず,質点系の力学を簡単に復習したうえで,1つの質点の運動である単振動について学習する.また,質点系の発展として弦の振動や音波などの波動現象について学習する.これらの学習を通して,「ものづくり」において重要である物理現象の知識に基づいた設計の考え方を養成する.〔CP1〕

【授業の到達目標】
目標1:単振動と振動現象の基本法則を理解し,数式に表して計算できること.また,運動方程式を誘導し,解法を身につけること.
〔学習・教育到達目標A〕〔DP1〕
目標2:波動現象の基本法則を理解し,波の合成,干渉,屈折,回折などの性質を数式に表して計算できること.また,波動方程式を理解すること.
〔学習・教育到達目標A〕〔DP1〕
目標3:物理現象を定式化することにより,現象の変化や影響を予測できるようになること.このような物理的な考え方が,機械や構造物の設計において重要であることを理解すること.
〔学習・教育到達目標B〕〔DP9〕

【授業概要(キーワード)】
ニュートン力学,振動,波動,ホイヘンスの原理,干渉,回折,波動方程式

【科目の位置付け】
本講義は,機械工学基礎Ⅰ,機械工学基礎Ⅱ,機械工学基礎Ⅲ,運動と力学演習と重複した内容が多く含まれている.また,同学期に開講される物理学実験と関連性が高い.波動方程式に関連した内容は物理学Ⅱと関連性がある.さらに,基礎振動工学及び演習や連続体の振動学に直接的に関連した基礎知識を学習できる.機械システム工学科の学習・教育到達目標(A)工学の基礎力,および,(F)自主的・継続的学習能力を養成する科目である.

【授業計画】
・授業の方法
この授業は初級(52011),中級(52012)の2クラス開講とする.クラス編成は原則として機械システム工学科の物理学関連の授業成績に基づいて行う.どちらのクラスも,90分×15回の講義および例題・演習問題に取り組みながら授業を進める.なお,初級クラスでは基礎力の充実を目指して比較的少数の例題を丁寧に解説し,物理が苦手な学生にも理解できるように丁寧に説明する.中級クラスでは物理学の実力向上を目指して多くの演習問題を扱う.講義で取扱う物理現象は2クラスとも基本的には共通であり,中間・期末試験内容および成績評価基準も同一である.
・日程
第1週 ガイダンス
第2週 質点力学の基礎
第3週 円運動と単振動(振動の基礎)
第4週 単振動とその合成
第5週 単振動と減衰振動
第6週 強制振動と共振現象
第7週 連成振動
第8週 ※中間試験と解説
第9週 連続体の振動/弦の振動
第10週 弦の振動と波動方程式
第11週 波動現象の性質/波の重ね合わせ/干渉/定在波
第12週 ホイヘンスの原理と波の反射/屈折/回折
第13週 音波の基礎と性質
第14週 総括
第15週 ※期末試験と解説

【学習の方法】
・受講のあり方
・受講のあり方
毎回の講義を良く聞くこと.ノートや配付資料にメモを取りながら受講するスタイルが望ましい.レポート課題が出題された場合は,期日を厳守して提出すること.授業内容でわからないことがあったときは,遠慮なく質問すると良い.

・予習のあり方
授業日程は基本的にテキスト第4章の項目順に沿って行われる.テキストを用いて該当する内容を読んで理解しておくこと.テキストの記述が難解である場合は,参考図書などを用いて自身の理解を進めておくことが望ましい.また,その際に質問事項をまとめておくと良い.

・復習のあり方
講義資料や受講時のメモを参考に,講義の要点を整理して自身の講義ノートを作成すること.また,理解不足と感じた内容を自分で調査学習して補完することが望ましい.
・授業時間外学習へのアドバイス
授業で理解できなかった内容を放置しないことが重要である.その内容について参考書などを用いた自分自身の調査学習で解決することが最も良いが,恥ずかしがらずに教員や友人などに相談しても良い.

【成績の評価】
・基準
中間試験,期末試験,演習レポートで評価し,それらの合計(100点満点)が60点以上を合格とする.
・方法
中間と期末の試験2回は必ず受けていること.この結果と,演習レポートの結果を総合して成績を決定する.

【テキスト・参考書】
<テキスト>小出昭一郎著,「物理学(三訂版)」,裳華房

参考書:森田博昭・安達義也・加藤宏朗・金子武次郎「工学基礎・物体の運動」学術図書出
参考書補足:追加の参考書については授業中にアナウンスする

【その他】
・学生へのメッセージ

・学生へのメッセージ
機械技術者の「ものづくり」においては,物理現象を理解することと,その知識を持っていることが必要不可欠です.そのためには,現実の事象に対する興味心が第1に重要で,次に地味な反復学習で物理学的思考力を身につけることが重要です.

・受講時の注意
授業中に演習を行うときに移動したり友人と相談することは教員の許容範囲内で認めますが,講義中の騒音や妨害,大幅な遅刻など,他学生の迷惑になる行為を禁止します.
・オフィス・アワー
井坂:金曜日16:00~18:00

50000500-2018-05-52011