構造解析・分析法Ⅱ
 Instrumental Analysis II
 担当教員:片桐 洋史(KATAGIRI Hiroshi)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)物質化学工学分野
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:高分子・有機材料工学科  科目区分: 
【授業の目的】
これまでに学んだ有機化学と物理化学の基礎を基盤として,電磁波を利用した有機材料の構造解析と分析法について理解することを目標とする。具体的には,紫外可視分光法(吸収),蛍光光度法(発光),X線回折法(反射)について,原理,機構,応用例について理解する。特に,X線回折法では有機固体材料のX線構造解析について重きを置き,X線回折の原理,群論と対称性の基礎,逆格子の概念について理解する。さらに、電子顕微鏡の基礎を身につける。

【授業の到達目標】
1)紫外可視分光法の原理と機構について理解している。2)蛍光光度法の原理と機構について理解している。3)X線回折法の原理と機構について理解している。4)濃度,吸光度,モル吸光係数の関係を説明できる。5)発色団と蛍光色素の例を説明できる。6)逆格子とミラー指数,構造因子と消滅則を理解している。7)X線回折法の応用例と用いる原理を理解している。8)走査型電子顕微鏡(SEM)・透過型電子顕微鏡(TEM)の原理を説明できる。

【授業概要(キーワード)】
紫外可視分光法,ランベルト-ベール則,吸光度,モル吸光係数,連続変化法,蛍光光度法,ジャブロンスキー図,発色団,蛍光色素,量子効率,蛍光寿命,X線回折法,ブラッグの式,晶形,ミラー指数,逆格子,構造因子,消滅則,走査型電子顕微鏡(SEM),透過型電子顕微鏡(TEM)

【科目の位置付け】
この講義は,高分子・有機材料工学科教育目標の「高分子及び有機材料工学に関する分子レベルから材料レベルにわたる体系的知識と技能を身につける」に対応している。また,ディプロマポリシー「3.専門分野の知識と技能」に対応している。有機化学と物理化学の基礎を基盤として,有機化合物と材料の構造解析のための分光学的知識を扱う。構造解析のスキルは,研究室における研究開発プロポーザルおよび卒業研究で必須のスキルである。

【授業計画】
・授業の方法
講義は基本的にパワーポイントならびに板書で行う。
・日程
第1回:イントロダクション:電磁波を使った分光法
第2回:紫外可視分光法1(原理と装置のしくみ)
第3回:紫外可視分光法2(分子による紫外可視光の吸収)
第4回:紫外可視分光法3(紫外可視分光法の適用例)
第5回:蛍光光度法1(原理と装置のしくみ)
第6回:蛍光光度法2(蛍光分子)
第7回:蛍光光度法3(紫外可視分光法の適用例)
第8回:X線回折法1(X線の性質と発生,物質との相互作用)
第9回:X線回折法2(X線の回折と散乱,結晶と単位格子)
第10回:X線回折法3(群論と対称性)
第11回:X線回折法4(逆格子とミラー指数)
第12回:X線回折法5(結晶構造因子と消滅則)
第13回:X線回折法6(単結晶X線構造解析・粉末X線構造解析)
第14回:X線回折法7(高分子のX線構造解析の適用例)
第15回:電子顕微鏡の基礎[走査型電子顕微鏡(SEM)・透過型電子顕微鏡(TEM)]

【学習の方法】
・受講のあり方
授業中は私語,飲食等で他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は,受講を遠慮してもらいます。途中に教室を出たり入ったりする事も周りの迷惑になるので原則として禁止します。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義前に物理化学と有機化学の内容を復習しておくことが大切です。

【成績の評価】
・基準
60点以上:紫外可視分光法,蛍光光度法,X線回折法の原理を説明できる。
70点以上:紫外可視分光法と蛍光光度法の応用例と用いる原理を理解している。
80点以上:X線回折法の逆格子とミラー指数,構造因子と消滅則を理解している。
90点以上:X線回折法の応用例と用いる原理を理解している。走査型電子顕微鏡(SEM)・透過型電子顕微鏡(TEM)の原理を説明できる。
・方法
期末試験(100点満点)を実施し,60 点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
テキスト:加藤正直,内山一美,鈴木秋弘「基礎からわかる機器分析」森北出版
参考書:大橋裕二,植草秀裕,大原高志,小島優子,根本隆「X線・中性子による構造解」東京化学同人

【その他】
・オフィス・アワー
火曜日午後5時~6時 工学部3号館 3-2101号室

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