粉体は我々の身の回りにはもちろん、多くの工業で深く関わっている。しかし、粉体は単なる固体ではなく、固体でありながら流体としての性質をもつなど、極めて複雑な挙動を示す。これらの粉体に関する学問体系が粉体工学である。粉体工学の対象は、粒子が集合していることによって起こる物性と挙動である。また、粉体の挙動は単一粒子の挙動および粒子間の相互作用で規定され、粉体挙動は生産目的に応じた装置によって制御される。そこで本講義においては、その内容を“粒”（単一粒子）と“粉体”（集合体）とに大きく分けて整理し、基礎事項の講義を行う。
粉体物性とその測定、粉体の製造プロセスを学び粉体と各種工業との関連性について理解を深めることがねらいである。

・単一粒子および粉体の基本物性を理解すること。
・粒子径分布、比表面積、空間率を理解し計算できること。
・ブレイクダウン法およびビルドアップ法による粉体の製造プロセスを理解すること。
・粉砕操作に関する基礎知識を理解すること｡
・粉体関連のトラブル解消法を理解すること。

粒子径、粒子形状、粒子径分布、比表面積、空間率、粉砕速度論、析出、表面改質、粉体のトラブルシューティング

この科目は、化学・バイオ工学科の専門分野における化学工学の発展科目に対応する。

講義は概ねテキストにしたがって行うが、講義内容をより深く理解するために、各授業の終わり約15分程度で演習問題を行う。前半と後半で教員が変わる。

第１週 粉体工学とは
第２～４週 単一粒子の物性（粒子径、粒子形状、粒子密度、粒子の濡れ性）
第５～７週 粒子集合体の特性（粒子径分布、比表面積、充填構造）
第８週 中間試験とまとめ
第９～10週 粉体の生成機構（粉砕法，成長法）
第11～12週 粒子集合体の生成および調製（粉砕、造粒）
第13週 場の中での粒子の挙動
第14週 場を使った分離・分級操作
第15週 期末試験とまとめ

毎週必ず受講すること。授業中は私語等他の受講生の迷惑にならないように心がけること。質問は随時受け付けるが、minute paper の質問欄を利用しても良い。質問は次の授業の中で答えるようにする。

教科書をよく読むこと。
演習問題でできなかった問題は、その日のうちにもう一度取り組むこと。テキストの例題を実際に自分で解いてみること。

毎週の演習点、中間試験、期末試験を合計100点で評価し、60点以上を合格とする。

毎週講義に関する演習を行う。配布したminute paper の裏面に解答を記入すること。筆記試験は中間試験と期末試験がある。

テキスト：椿淳一郎・鈴木道隆・神田良照、「入門 粒子・粉体工学 改訂第2版」、日刊工業新聞社、3,000円
参考書：三輪茂雄、「粉体工学通論」、日刊工業新聞社、3,672円：粉体工学会編「粉体工学叢書 第1巻 粉体の基礎物性」日刊工業新聞社、3,200円：粉体工学会編「粉体工学叢書 第2巻 粉体の生成」日刊工業新聞社、3,200円

毎週、演習をするので出席をすること。
化学数学を履修していることが望ましい。毎回授業の終わりに行う演習は、自分で考えて解こうとする姿勢が大事であり、その習慣を是非身につけて欲しい。

木俣光正：水曜16:00～17:00　3-1208
小竹直哉：金曜16:00～17:00　3-1210