工学解析及び演習(補習)
 Engineering Mechanics and Analysis
 担当教員:ランジェム ミカエル (LANGTHJEM Mikael)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
これまで「数学」として学習してきた微分積分学が,実際にどのように利用され,それがいかに有用であるかを例題や演習問題を通して学ぶ.機械分野に関連した問題の他に、自然科学,社会科学における例題を幅広く取り上げ,数学モデルとその活用方法の基礎を学習する.

この科目では,自然現象を数式で書き下し,それを解き(解析し),得られた結果を吟味することにより,現象の全容を把握する力を養うことを目的とする.特に,自然現象の記述に,微分積分学がどの様に用いられるかを学習する.

【授業の到達目標】
(1)工学の基礎としての数学(特に微分・積分学)を身につける.
(2)演習を通して自主的行動力・問題発見解決能力を身に付ける.
(3)例題・演習問題を通して機械工学の基礎力を身につける.
(4)一部の課題ではコンピュータを利用し、問題解決に必要な計算遂行力を養う.

【授業概要(キーワード)】
応用数学の基礎:行列式の取り扱い・連立1次方程式の解法を含む線形代数の応用能力,微分・積分の概念と取扱い,微分方程式の解法の基礎を含む微積分学の応用能力.
自然科学の基礎:物理学の基礎.
機械工学の重要分野の修得:運動の法則、質点の力学.
情報と計測・制御:データ解析.

【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標(A)[工学の基礎力](0.5),(D)[創造力,自主的行動力およびコミュニケーション能力](0.2)及び(G)[機械工学の基礎力](0.3)を養成する科目である.

【授業計画】
・授業の方法
講義の前半は,新しい理論や問題を説明する.後半は学生たちが(前半と)関連した問題を自分たちで解く.その後,教官は答えを説明し,学生から質問がでればそれに答える.90分×15週の授業を行う.
・日程
第1回 Introduction to the course
このコースの紹介
(予習)テキストの第1章を読むこと.
第2回 Ch. 2. Functions and the derivative
第2章.関数と微分
(予習)テキストの第2章を読むこと.
(復習)配ったプリントの問題を解くこと.
第3回 Ch. 4. Geometrical significance of the derivative
第4章.微分の幾何学的な意味
(予習)テキストの第4章を読むこと.
(復習)84ページの問題(#8,10,12,14)を解くこと.
第4回 Ch. 7. The chain rule
第7章.連鎖法
(予習)テキストの第7章を読むこと.
(復習)152ページの問題(特に#1)を解くこと.
第5回 Sec. 7.9. Related rates
第7.9節.関係の有る変化率
(予習)テキストの第7.9節を読むこと.
(復習)183-184ページの問題(特に#1,2,3)を解くこと.
第6回 Ch. 8. Minima and maxima
第8章.極小・極大
(予習)テキストの第8章を読むこと.
(復習)215-216ページの問題(特に#2,4,5,18)を解くこと.
(演習)第1回のレポートの提出
第7回 Sect. 5.3. Newton's method (p. 106) + まとめ・復習
第5.3節.ニュートンの方法+ まとめ・復習
(予習)テキストの第5.3節を読むこと.
(復習)108-109ページの問題を解くこと.
(演習)第2回のレポートの提出
第8回 ここまでのまとめ・中間テスト
(予習)今まで勉強した理論・問題を確認しておくこと。
(演習)第3回のレポートの提出
第9回 Ch. 15. Geometric uses of the definite integral
第15章.定積分の幾何学的な応用
(予習)テキストの第15章を読むこと.
(復習)447ページの問題(特に#1,5,6)を解くこと.
(演習)第4回のレポートの提出
第10回 Ch. 16. Physical appl. of the definite integral
第16章.定積分の物理学的な応用
(予習)テキストの第16章を読むこと.
(復習)479-480ページの問題を解くこと.
(演習)第5回のレポートの提出
第11回 Ch. 24. Introduction to differential equations
第24章.微分方程式の紹介
(予習)テキストの第24章を読むこと.
(復習)852・854・855・856ページの問題を解くこと.
(演習)第6回のレポートの提出
第12回 Sect. 12.5. Problems of growth and decay
第12.5節.物理量の増加・減少に関する問題
(予習)テキストの第12章を読むこと.
(復習)356-358ページの問題を解くこと.
(演習)第7回のレポートの提出
第13回 Sect. 10.6. Periodic phenomena (2nd order differential equations)
第10.6節.周期的な現象(2階線形微分方程式)
(予習)テキストの第12章を読むこと.
(復習)第10.6節の問題を解くこと.
(演習)第8回のレポートの提出
第14回 まとめ・復習
(予習)今まで勉強した理論・問題を確認しておくこと。
(演習)第9回のレポートの提出
第15回 コースのまとめ・期末試験
(予習)今まで勉強した理論・問題を確認しておくこと。
(演習)第10回のレポートの提出

【学習の方法】
・受講のあり方
講義に出席し,話を良く聞き、疑問点は積極的に質問すること.
・授業時間外学習へのアドバイス
講義の前,自分でテキストを簡単に読んでおく.
講義ノートを点検,整理して不備な箇所をテキスト,参考書等で補充しておくこと.演習問題を行うこと.

【成績の評価】
・基準
1) 微分・積分の意味を理解,説明できる。また、自然科学的な問題を解くとき、微積分を利用できる。
2) 微分方程式の意味を理解,説明できる。また、1階微分方程式及び2階線形微分方程式を解ける。
・方法
期末筆記試験を60点,演習およびレポート、またはミニテストなどを40点とし,成績を決定する。合格ラインは60点とする。

【テキスト・参考書】
テキスト:
Morris Kline: Calculus (Second Edition), Dover Publications, Inc., New York, 1998年(約3700円)

参考書:
(1) F. Ayres & E. Mendelson,Calculus (Fifth Edition), Schaum's Outlines,Mcgraw-Hill (2009年),約1700円
(2) 杉山・鈴木,「力学序論」,培風館,約3045円
(3) James Stewart, Calculus, 6th ed., Thomson Brooks/Cole Pub. Co. (2008)(約6800円)

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