有機化学Ⅱ(化学・バイオ)
 Organic Chemistry II
 担当教員:佐藤 力哉(SATO Rikiya)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)化学・バイオ工学分野
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:化学・バイオ工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業の目的】
有機化学Iに引き続いて有機化学の基礎を各章の項目に従って講義する。有機化学の基本的な項目である1)共役ジエン、2)芳香族化合物、3)アルコール、4)エーテルを取り上げ、それらの基本的な性質や命名法・合成法また代表的な反応について基礎から応用までを理解する。有機化学における基礎的な考え方を身に付け、4年次に進級した際に卒業研究を実施するにあたって必要な実践的な知識と、材料選択のためのセンスを身につけることを目的とする。

【授業の到達目標】
14章共役化合物:共役ジエン化合物の特性や合成法を理解する。
15章ベンゼンと芳香族性:ベンゼンの構造、芳香族化合物の命名法,芳香族求電子置換反応、芳香族化合物の酸化と還元、非ベンゼン環および多環式化合物の芳香族性について理解する。
16章 ベンゼンの化学:芳香族求電子置換,その他の芳香族置換,芳香環のアルキル化とアシル化、求電子置換
ベンザインについて理解する。
17章アルコールとフェノール:命名法、性質、製法、反応、アルコールの保護、フェノールとその用途について理解する。
18章:エーテルとエポキシド;チオールとスルフィド:命名法と性質、エーテルの合成、エーテルの反応
環状エーテル:エポキシド、エポキシドの反応、クラウンエーテル、チオールとスルフィド以上の項目を理解できる。


【授業概要(キーワード)】
アルコール、エーテル、フェノール、共役ジエン、ベンゼン誘導体、芳香族求電子置換、エポキシド、ベンザイン、複素環式芳香族化合物、チオール、スルフィド

【科目の位置付け】
(バイオ化学工学科 専門科目・選択必修)この授業は、有機化学を学ぶ上で重要な分野の内、芳香族化合物、共役ジエン、アルコール、エーテル、チオール、スルフィドについて学ぶ。なお、本授業を受講する前に有機化学Iを受講しておくことが望ましい。

【授業計画】
・授業の方法
講義は教科書を中心に説明する。適宜講義の最後にレポートとして講義内容について課題を出すので、次回の講義の際に提出する。レポート結果をもとに、理解度をみながら授業の進度を調整していく。
・日程
1週:授業概要の説明と14章共役ジエン:共役ジエンの安定性、求電子付加
2週:14章共役ジエン:速度支配と熱力学支配、Diels-Alder 付加環化、ジエンポリマー
3週:15章ベンゼンと芳香族性:芳香族化合物の命名法、ベンゼンの構造と安定性
4週:15章ベンゼンと芳香族性:芳香属性、芳香族イオン
5週:15章ベンゼンと芳香族性:複素環式芳香族化合物、多環式芳香族化合物
6週:16章ベンゼンの化学:芳香族求電子置換、その他の芳香族置換
7週:16章ベンゼンの化学:芳香管のアルキル化とアシル化、求電子置換
8週:16章ベンゼンの化学:ベンザイン、芳香族化合物の酸化
9週:16章ベンゼンの化学:芳香族化合物の還元、多置換ベンゼンの合成
10週:17章アルコールとフェノール:命名法、性質
11週:17章アルコールとフェノール:製法,反応
12週:17章アルコールとフェノール:アルコールの保護,フェノールとその用途
13週:18章エーテルとエポキシド;チオールとスルフィド:命名法と性質、エーテルの合成
14週:18章エーテルとエポキシド;チオールとスルフィド:エーテルの反応,環状エーテル:エポキシド
15週:18章エーテルとエポキシド;チオールとスルフィド:エポキシドの反応、クラウンエーテル、チオールとスルフィド

【学習の方法】
・受講のあり方
予習をして授業に出席することが望ましい。
また、授業中は私語、飲食等は控えること。受講生の迷惑になると判断した場合は受講を遠慮してもらいます。なお講義はパワーポイントと板書を随時使用するので、示される講義内容をノートに筆記して内容の理解に努める。
・授業時間外学習へのアドバイス
予習としては、最低限教科書を1度は読んでくること。理解出来ない点を講義中に特に注意して聞くようにすると良い。
良く理解出来ない点は、講義後でもかまわないので質問にくること。
また、与えられた課題を解いて復習しておくこと。章末にある問題等もできるだけ解くとよい。

【成績の評価】
・基準
各テーマの基礎的な事項について適切に説明できることを合格の基準とします。
命名法や基礎的性質の理解を基準とし、それらの知識を基にした応用反応をいかに発展させられるかにより評価します。
・方法
筆記試験およびレポート等を総合し成績を決定する。中間試験と定期試験の成績をそれぞれ40点として計80点。レポート等を20点として、合計100点を満点とし、60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
テキスト:マクマリー有機化学(有機化学Iで使用したもの)
参考書:ボルハルトショアーの現代有機化学(上・下)
モリソン・ボイド 有機化学
ソロモン 有機化学
等有機化学の教科書

【その他】
・学生へのメッセージ
量が多いですが、大切な講義です。
毎日の積み重ねが重要です。
・オフィス・アワー
金曜日;16:00〜17:00

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