【授業の目的】
有機合成に必要な有機機器分析の方法について学ぶ。特に核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル、紫外可視吸収スペクトル、質量スペクトルの各種機器分析法について、それぞれの原理、スペクトルの読み方、実際の構造へのあてはめ方を説明し、さらに演習を通じて理解を深める。
【授業の到達目標】
最終的に以下の事柄を習得することを目標とする。 ◯各構造解析法の原理を理解し、それによって得られる情報を把握できる。 ◯各構造解析法を用いて、単純な化合物の構造決定ができる。 ◯各構造解析法を組み合わせて、複雑な化合物の構造決定ができる。
【授業概要(キーワード)】
高分子機器分析、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトル、紫外可視吸収スペクトル、質量分析
【科目の位置付け】
有機化学、物理化学の知識に基づいて、有機化合物の構造を決定するための分光学的知識を扱う。また、構造解析のスキルは、高分子合成化学実験や、合成系の研究室における研究開発プロポーザル及び卒業研究で必須のスキルである。
【授業計画】
・授業の方法
前半(〜第9回)は有機化合物に関する機器分析の原理・方法について学習する。後半(第10回〜)は、有機化合物を官能基ごとに分類して取り上げ、スペクトルから得られる情報を説明したのち、演習を通じて実際にスペクトル解析して構造決定を行う。
・日程
第1回:構造解析とは 第2回:紫外可視分光法 第3回:赤外分光法 第4回:核磁気共鳴(1):NMRの原理 第5回:核磁気共鳴(2):1H NMR(化学シフト、シグナル強度) 第6回:核磁気共鳴(3):1H NMR(カップリング) 第7回:核磁気共鳴(4):13C NMR(化学シフト) 第8回:核磁気共鳴(5):二次元NMR 第9回:質量分析法 第10回:アルコール、エーテル、アミンの構造解析 第11回:不飽和炭化水素と芳香族化合物の構造解析 第12回:カルボニル基を含む化合物の構造解析 第13回:総合問題演習 さらにまとめ(中間試験、定期試験を含む)を適宜行う
【学習の方法】
・受講のあり方
WebClassを通してプリントを配布するので、講義までに印刷して持ってきてください。講義中はプリントに書き込みながら聞いてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義前は、プリントに目を通し、教科書などを参考にして空欄の内容を予測してみてください。講義後は、適宜課題を課しますので自力で取り組んでみてください。その他、膜マリーの章末問題などにも取り組んでみてください。
【成績の評価】
・基準
◯各構造解析法の原理を理解し、それによって得られる情報を把握できる(30点)。 ◯各構造解析法を用いて、単純な化合物の構造決定ができる(30点)。 ◯各構造解析法を組み合わせて、複雑な化合物の構造決定ができる(40点)。
・方法
講義中に課す課題と、試験の成績を総合して評価します。
【テキスト・参考書】
教科書:アトキンス物理化学要論 第6版(前半第9回まで) マクマリー有機化学 第8版(第10回以降)
参考書:例えば、 ・ビギナーズ有機構造解析 川端潤著 化学同人 2005 ・ベーシック有機構造解析 森田博史・石橋正己著 化学同人 2011 ・有機化学のためのスペクトル解析法 第2版 M.Hesseら著 野村ら訳 化学同人 2010
【その他】
・学生へのメッセージ
有機化学及び物理化学の基本的な内容を理解しておいてください。
|