物質化学工学実験Ⅱ
 Chemistry and Chemical Engineering Laboratory Work II
 担当教員:物質化学工学科担当教員(BUSSHITSUKAGAKUKOUGAKUKATANTOUKYOUIN)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)物質化学工学分野
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:実験
 開講対象:物質化学工学科  科目区分:専門科目・必修 
【授業の目的】
有機化学実験,電気化学実験を通して,器具や薬品の取り扱い,化学実験の基本操作,レポート作成方法などを学ぶとともに,各実験テーマに対する理解を深める。
実験を通して,講義で学習した内容に対する理解を深め,実験器具や単位操作,測定方法等の基本的技術を習得する。さらに,実験操作や観察結果を正しく記述し,得られたデータの解析と適切な考察をレポートにまとめられる力を身につける。

【授業の到達目標】
自ら実験を行い,レポートを作成することによって講義で学んだ知識の理解を深める。実験テーマごとの目標はテキストに示されている。

【授業概要(キーワード)】
酸塩基反応,酸化還元反応,錯形成反応,溶液,イオン,沈殿,結晶,界面,機器分析,有機化合物の合成,分離,精製,分析,同定

【科目の位置付け】
物質化学工学科の学習・教育目標「(C)データ収集と解析および問題解決能力」に主に対応する。

【授業計画】
・授業の方法
初回のガイダンスで具体的な日程,場所について説明し,安全講習を行う。2回目以降,12回にわたり実験を行う。
・日程
物質化学工学実験IIでは,以下のテーマを順に実施する。実施テーマは担当教員から指示する。
1.有機実験の基礎操作
2.天然物の抽出実験
3.有機化合物の分離・精製実験
4.有機化合物の合成実験
5.電流・電位・電気量の測定とファラデーの法則
6.電池起電力(平衡論)と分解電圧(速度論)
7.工業化学への応用(電池,アノード酸化,エッチング,ディスプレイ)
具体的な実習の日程,集合場所については開講時のガイダンスにて説明する。

【学習の方法】
・受講のあり方
原則として,実験中は実験室から出ることを禁ずる。遅刻は厳禁。飲食,喫煙のほか,他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は,受講を遠慮いただき欠席扱いとする。初めに指導教員からその日行う実験についての解説,注意事項があるので,早めに実験室に入ること。廃液はTAの指導のもとに指定の廃液容器に回収すること。怪我や気分が悪くなった場合,または回りにそのような人を見かけた場合は速やかに指導教員,またはティーチングアシスタント(TA)に知らせること。
※白衣,保護めがね,名札,タオル,上履き,テスターを必ず持参すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
次に行う実験項目について,テキストの実験方法を必ず読んで,当日は速やかに作業に取り掛かれるようにすること。必要に応じて,実験ノートに反応式や用いる試薬の毒性などメモして実験に臨む。
※実験テーマによっては,各自で事前に準備して実験当日に持参してくることが求められている場合があるので十分注意すること。
当日行った実験について,実験ノートをまとめ,整理する。実験ノートをもとにレポート作成を行う。取り扱う化合物の性質など,分からないところはテキスト・参考書,図書館等で調べ,知識・理解を深める。レポートは,テーマごとの指示に従って作成し提出すること。

【成績の評価】
・基準
実験をよく理解し,安全に行うこと。レポート内容が十分で,設問に正しく解答していること。60点以上を合格とする。
・方法
皆出席,全レポート提出をクリアした学生に対し,各テーマにおける実験態度,レポート内容から判定する。

【テキスト・参考書】
物質化学工学科で準備するテキストを使用する
実験・実習における安全の手引,山形大学編
佐野博敏,総合図説化学,第一学習社,810円。またはこれに類する高校生用副読本。
現代の電気化学,小沢昭弥,丸善(2012)。※電子書籍
東京法令出版編集出版部,ビジュアル理科,東京法令出版(2004)。
視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録,数研出版編集部,数研出版(1998)。
視覚でとらえるフォトサイエンス物理図録,数研出版編集部,数研出版(2006)。
アトキンス物理化学要論,P. W. Atkins [著]/千原秀昭,稲葉章訳,東京化学同人(1998)。
電気化学測定法,藤嶋昭,相澤益男,井上徹著,技報堂出版(1984)。
物理学実験,吉田卯三郎,武居文助共著,三省堂(1958)。
工業技術基礎,小林一也,工業技術基礎,実教出版(2002)。
その他,実験テキストに記載の参考文献。

【その他】
・学生へのメッセージ
予習をしっかり行い,あらかじめ実験手順を理解してから実験を行うこと。実験室には早めに来て,実験は自ら積極的に行い,安全な実験手法を身につけること。実験はレポートを作成することによって理解を深めることができる。
以下のグループボードも適宜確認すること(入学時に配布されたIDを使う)。
https://gb.yz.yamagata-u.ac.jp/c/l/2006_53223/ICL/
白衣、保護めがね、テスターはあらかじめ購入しておくこと。実験室では,上履き,名札付きの白衣を着用し,薬品取り扱い中は保護めがねをかけること。原則として欠席は認めない。やむを得ず欠席しなければならない場合は,必ず担当教員まで申し出ること。遅刻者には実験をさせないことがある。レポートの提出期限を守ること。
テスターを購入せずに来て全く実験が進まなかったり、他人のものを借りて破損したりすることが多いので特に注意すること。
・オフィス・アワー
担当教員のオフィスアワーを参照のこと。

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