電気電子英語Ⅰ
 Technical English for Electrical Engineers I
 担当教員:足立 和成(ADACHI Kazunari)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:電気電子工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
主として、数学、物理及び電気・電子工学における基本的な英語の専門用語の理解とその運用能力の涵養、そして実用英語への興味の刺激することを目的としている。具体的には、電気・電子工学の分野の英語の文献を読みそれを理解するために必要な、最低限度の基本的な語彙及び読解力を身に付けることが、この講義のねらいである。そのため、毎回の講義において、教科書の内容を解説するとともに、練習問題を解きながら学んでもらう。そして必要に応じて、重要な用語の意味や用法に関する解説を行なう。また、一般的な実用英語の知識も出来る限り習得するようにする。

【授業の到達目標】
○数値(分数,小数、指数)と単位を英語で聞き取り、話すことができるようにする。
○主な元素名、化学物質名を英語で聞き取り、話すことができるようにする。
○微分と積分を含んだ数式を英語で聞き取り、読むことができるようにする。
○平面、立体図形の名称を英語で聞き取り、話すことができる
○電気電子関係の内容が記述されている英語の短い文章を読んで、その内容を説明することができるようにする。
○電気電子関係の英語の学術文献を読むのに最低限必要な単語を覚え、使うことができるようにする。

【授業概要(キーワード)】
数式の読み方、電気電子工学用語、実用英語

【科目の位置付け】
電気電子英語Iの基礎となる科目:高校英語、電磁気学及び演習I,II、電気回路及び演習I,II

【授業計画】
・授業の方法
毎週受講者全員に教科書の問題の解答と教科書の音読の練習をしてきてもらう。講義の時には、ぞれぞれの課題ごとに受講者を無作為に指名し、受講者全員の前で声に出して発表してもらう。特に英文や英単語については、はっきりとした発音で声に出して読むことを求める。十分な予習(特に単語の発音と意味について)と復習を前提として授業は進める。2年次の専門分野の基礎科目のうち、電気回路と電磁気学の知識は全て前提とする。またそれらの分野で使用されている英語の専門用語についても、基本的なものについては既に習得しているものとみなす。毎回の講義の最後に、その講義内容に関する簡単な報告(ミニッツペーパ)を提出してもらう。
・日程
第1週 講義の進め方の説明、数字の読み方/第2週 数字の読み方の続き、特殊文字と単位/第3週 数式の読み下し方と元素名/第4週 平面図形とグラフ/第5-7週 物理・化学・エネルギー分野の単文の構文解釈と用語解説/第8週 テレビ及び電池に関する短い文章/第9週 蛍光灯及び磁石に関する短い文章/第10週 レーダー及び冷蔵庫に関する短い文章/第11週 宝石及び原子と分子の運動に関する短い文章/第12週 光電効果に関する短い文章/第13週 花の香りに関する短い文章/第14週 X線に関する短い文章/第15週 地震に関する短い文章

【学習の方法】
・受講のあり方
毎回必ず出席し、必ず一度は解いてきた問題の答えなどを受講者全員の前で声に出して発表すること。間違えることを恐れず、思った通りの答えを発表することを勧める。間違えた答えを発表して貰うほうが、正解を発表してもらうより、本人の勉強になるだけではなく、講義にも貢献することになるからだ。質問はいつでも受け付ける。
・授業時間外学習へのアドバイス
教科書の問題を事前に解いておき、そこに登場している単語の意味と発音は事前に辞書で調べてくること。声を出して単語や文章を読むことを強く勧める。答えは教科書の書いてあるが、まずは自力やってみることが必要である。教科書にはCDが付属しているので、発音を耳から覚えることができる。また、単語の意味のニュアンスを把握するために、英英辞典の使用をお勧めする。
講義で出てきた単語はその使用法を含めて、反復練習を行い、完全に記憶する努力を怠らないこと。単語は単独に憶えるのではなく、例文ごと暗誦して使えるようにすることで、憶えて「しまう」ことが大事である。
1週間に1回だけ2時間勉強するよりも、毎日10分間だけ集中して学習するほうが効果が上がる。

【成績の評価】
・基準
科目の「到達目標」に記載の各項目について簡単な報告と試験を課し、以下の基準を満たしたものを合格とする。毎回の講義の最後に行う簡単な報告(ミニッツペーパ)30点と期末試験70点の合計100点満点で、60点以上を合格とする。
ミニッツペーパでは、その日の授業における到達目標を把握できていれば、正解を答えていなくとも満点(2点)を与える。期末試験では、「到達目標」に掲げた6点の項目それぞれに関して、どれくらい習得できているかを試す筆記問題を出す。その採点においては、長文読解や英文和訳、和文英訳、数式の読み下しの問題では、細かい間違いには拘泥せず、その答えが第三者(特に英語を母国語にしている者)に「理解される」程度に応じて点数を与えるが、単語を問う問題では正確な綴りの答え以外には点数を与えないので注意すること。
・方法
ミニッツペーパ(30点)と期末試験(70点)の合計により成績を判定する。

【テキスト・参考書】
テキスト:(著者)志村史夫、(書名)理科系のための英語リスニング、(出版社)ジャパンタイムズ (テキストが絶版のため、必要なページのコピーと音声データを事前に配布するので、掲示に注意すること)
参考書:(著者)青柳忠克、(書名)やさしい電気・電子英語、(出版社)オーム社、(価格)1995円
(著者)宮野晃、(書名)電気・電子を説明する英語、(出版社)工業調査会、(価格)2625円
(著者)A.S.Hornby、(書名)Oxford Advanced Learner's Dictionary of Current English、(出版社)Oxford University Press(開拓社の日本版あり)、(価格)時価

【その他】
・学生へのメッセージ
学生諸君には意外かもしれないが、文科系の学科を卒業した人よりも、将来英語の文献を読まねばならない場面に遭遇する可能性は、諸君らの方が圧倒的に高いことを指摘しておきたい。それほど、電気電子工学の分野においては、英語の能力は欠く事の出来ない素養の一つになっている。この講義で、ぜひ実用英語への関心を持って貰いたい。電気・電子工学の分野の英語文献を読む力を養う場合でも、言語の学習であるからには反復練習による暗記が欠かせない。従って、毎回の講義に際しては、予習・復習を十分に行なうことが必要であり、特に復習が重要である。新しく学んだ単語や表現は忘れないように、文のまま覚えておくことを勧める。文脈の中で、単語や熟語の機能が活きてくることに注意して、学習を進められたい。
・オフィス・アワー
8号館3階の8-319号室及び電子メールで質問などは受け付ける。オフィスアワーは最初の授業の時に伝える。

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