電気電子英語Ⅱ
 Technical English for Electrical Engineers II
 担当教員:足立 和成(ADACHI Kazunari)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:電気電子工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
電気電子英語Iで学んだ基礎の上に、卒業研究や輪講で要求される専門的な文献の読解力を身につけるとともに、英語でのコミュニケーションに最低限度必要な能力を養う。従って、電気・電子工学分野以外の科学・技術分野の比較的長い文章を、その意味が通じるように音読し、理解できるようになることを目指す。また、技術英文を書くための基礎的な能力を身につける。
英語の文章の意味が理解できていないと、正しい区切り方や抑揚でそれを音読できない。実際、発音に多少の問題があるのは仕方ないが、英文を読む時の区切り方や抑揚が間違っていると、聞く者に意味が通じない。そのような読み方を繰り返していたのでは、「道具としての英語」の運用能力を高めることは全くできない。そこで、文章の全体の意味を十分に把握し、それを聞く者に伝えられるような読み方ができるようにする。関係代名詞や接続詞、論理関係を示す副詞がせいぜい一つ程度の、電気・電子工学に関する、簡単な意味の通じる英文を書けるようにする。

【授業の到達目標】
①比較的長い科学技術に関する英語の文章を、聞く者に意味が通じるよう音読できるようにする。
②関係代名詞や接続詞、論理関係を示す副詞がせいぜい一つ程度の、電気・電子工学に関する、簡単な意味の通じる英文が書けるようにする。

【授業概要(キーワード)】
専門英語の読解力、専門英語の運用能力、道具としての英語

【科目の位置付け】
電気電子工学科の学習・教育目標におけるコミュニケーション能力を育む講義。
電気電子英語Iの基礎となる科目:高校英語、電気電子英語I、電磁気学及び演習I,II、電気回路及び演習I,II、電子物性I

【授業計画】
・授業の方法
講義を行なう部分に関して、教科書に付属しているCDの内容を事前に聞き、予習してくることを前提に講義を行なう。教科書の問題の解答も用意しておくこと。講義中は必ず全員に教科書の文章の音読を行なってもらうが、その際、CDのお手本の区切り方と抑揚をできる限り再現できるように、練習してくること。間違っているところも他の受講者によく分かるように、はっきりと大きな声で音読すること。聞き取れないような小声での音読は認められない。音読後にその文章の内容に関する質問を行なうので、それにも答えてもらう。また毎回、講義の最後に出席票(ミニッツペーパー)を提出することになるが、そこには5~10分程度で書くことのできる電気・電子工学に関する簡単な英作文や問題の答えを必ず書いて出してもらう。
・日程
第1週 光の色
第2週 塩
第3週 石油
第4週 星座
第5週 揚力
第6週 さび
第7週 ジェット・エンジン
第8週 硬度
第9週 だんだん暗くなる地球
第10週 アインシュタイン
第11週 打ち上げ再開
第12週 光の全光学的制御
第13週 太陽の異常な活動
第14週 千年規模の気候変動
第15週 17世紀から19世紀の化学
(テキストの「中級編」第13章から「上級編」の内容)
第16週 期末試験

【学習の方法】
・受講のあり方
文章を音読する際、聞く者にその意味が通じるようにすることに注意を集中させる。はっきりと大きな声で、他の受講者に聞こえるように話すことが大事である。間違える時ははっきり間違えることが重要であり、その繰り返しが、英語の運用能力を高めていく。講義で説明された英語の用法などに関しては、聞き漏らさないように注意し、復習のためにノートを取っておくこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
CDの内容を必ず聞き、お手本の音読の仕方をできる限り再現するように練習してくること。また文章の内容の把握・理解をしておく。教科書の模範解答や翻訳文を暗記するのではなく、その英文に即した質問に答えられるように、音読しながらその意味が頭の中に浮かぶように練習をしてくること。 また教科書の問題などは必ず事前に解いておき、そこに登場している単語の意味と発音は事前に辞書でも調べておく。少なくとも時間にして総計30分程度の集中的な予習が講義前に行なわれることをこの講義では前提にしている。
新たな知識は、必ずその週のうちに復習して覚えるようにすること。1日5~10分程度の時間の集中的な復習を、毎日繰り返すことを強く勧める。語学の場合、まとめて1日に1時間学習するより、6日間にわたって毎日10分間集中的に学習するほうが効果が高い。

【成績の評価】
・基準
毎回の講義の最後に行なう簡単な報告(ミニッツペーパ)30点と科目の「到達目標」に記載されている各項目に関する期末試験70点の合計100点満点で、60点以上を合格とする。 ミニッツペーパでは、その日の授業における到達目標を把握できていれば、正解を答えていなくとも満点(各2点)を与える。期末試験では、「到達目標」に掲げた項目それぞれに関して、どれくらい習得できているかを試す筆記問題を出す。その採点においては、長文読解や英文和訳、和文英訳では、細かい間違いには拘泥せず、その答えが第三者(特に英語を母国語にしている者)に「理解される」程度に応じて点数を与えるが、単語を問う問題では正確な綴りの答え以外には点数を与えないので注意すること。
・方法
毎週提出してもらうミニッツペーパー(30点満点)と期末試験の点数(70点満点)の合計により、成績を判定する。

【テキスト・参考書】
テキスト:(著者)志村史夫、(書名)理科系のための英語リスニング、(出版社)ジャパンタイムズ (テキストが絶版のため、必要なページのコピーと音声データを事前に配布するので、掲示に注意すること。)
参考書:(著者)青柳忠克、(書名)やさしい電気・電子英語、(出版社)オーム社、(価格)1995円。
(著者)宮野晃、(書名)電気・電子を説明する英語、(出版社)工業調査会、(価格)2625円。
(著者)A.S.Hornby、(書名)Oxford Advanced Learner's Dictionary of Current English、(出版社)Oxford University Press(開拓社の日本版あり)、(価格)時価。

【その他】
・学生へのメッセージ
教科書の文章を暗誦できるくらいまで、CDの音声を聞き続けながらの短時間の復習を毎日繰り返すと、知らない間に英語力が身についてくる。そうすれば、TOEICで500点くらいは取れるので、騙されたと思って1年間はやってみることをお勧めする。短く、楽しく、しかし毎日、継続して学習を行なうことが実力をつける最高のコツである。
・オフィス・アワー
8号館3階の8-319号室及びメールで質問などは受け付ける。オフィスアワーは最初の授業の時に伝える。

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