専門数学Ⅰ(電気・電子通信)
 Specialized Mathematics I
 担当教員:齊藤 敦(SAITO Atsushi)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報・エレクトロニクス学科  科目区分:専門教育科目・選択 
【授業の目的】
・専門数学Ⅱとともに、電気・電子通信におけ幅広い応用分野を視野に据え、そこで多用される数学の基礎を学び、高学年での専門科目履修への基礎学力の習得を目的とする。
・導入的な三角関数や正弦波交流から物理的に重要な振動について学び、さらに交流回路の基本的な回路素子の表記法や特性を学習することを目的とする。
・複素数を用いて、複素平面内での振動現象を振幅と位相の点から理解し、インピーダンスの物理的意味と表記法を修得することを目的とする。
・複雑な回路方程式の基礎となるキルヒホッフの法則を用いて、基礎的な解法を学ぶことを目的とする。
・さまざまな電磁気現象を明らかにするのに不可欠な微分方程式について学習することを目的とする。
・電気電子工学の観点からいくつかの特徴的な物理モデルを取り上げて、メカニズムに対応する方程式の立て方、数学的な解法について学習することを目的とする。

【授業の到達目標】
1)交流振動:振動の物理的機構を理解し三角関数を用いて表現できる。
2)交流回路:基本的な回路素子の表記、特性が理解できる。また、交流回路における微分・積分の現象を理解し、数学的に表現できる。
3)複素数:複素数を用いて振動を表現し、複素平面内での振る舞いを説明できる。
4)回路方程式:インピーダンスの概念が理解でき、回路解析に用いることができる。また、キルヒホッフの法則を用いて回路解析ができる。
5)微分方程式:物理現象について微分方程式で表現でき、数学的方法で解くことができる。

【授業概要(キーワード)】
交流振動、複素数、複素平面、インピーダンス、回路方程式、微分方程式

【科目の位置付け】
この科目では、電気・電子通信の様々な諸現象を扱う基礎数学を物理的な視点から取り上げて習得する。
基礎となる科目は、主に高校での三角関数、微分・積分である。この科目を基礎とする科目は、主に電気回路、電磁気学、電子物性等である。

【授業計画】
・授業の方法
授業では、物理的なイメージが把握しやすいように概念・考え方の丁寧な説明に留意し、例題を示す。学生の理解を確認するためのミニッツペーパーを活用し、さらに理解を深めるためのレポートなどの課題も課す。
・日程
第1回目:ガイダンスと三角関数と正弦波交流、第2回目:関数の微分、第3回目:交流回路の回路素子、第4回目:関数の積分、第5回目:電気回路と積分、第6回目:複素平面と複素数、第7回目:正弦波交流とインピーダンス、第8回目:中間テストとまとめ、第9回目:連立方程式と行列、第10回目:キルヒホッフの法則、第11回目:行列式、第12回目:微分方程式とは、第13回目:微分方程式の種類、第14回目:常微分方程式の解法、第15回目:期末テストとまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
新しい概念や考え方が、毎回数多く出てくるので授業について行くのは容易でないが、不明な点は自分で考えた後、質問するなど積極的な姿勢で授業に臨んでもらいたい。レポートの解答例はWebclassを利用して確認すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
一般に大学の授業では授業時間のみでの理解には限界があるので、復讐は大変重要である。数学の知識にも個人差があるので、各自不明な点についてはわかる所まで戻るのが近道である。場合によっては、高校のテキストに戻ることも重要である。自分で積極的に調べることが大切で、インターネットでの検索は便利であるが、図書館を利用し、調査方法も含めて広い知識を身に着け、理解を深めてほしい。

【成績の評価】
・基準
1)振動を理解し、数学で表現できることを合格の基準とする。
2)交流回路において、回路素子や諸現象を数学的に表現できることを合格の基準とする。
3)複素平面内で振動の振る舞いを取り扱えることを合格の基準とする。
4)インピーダンスを理解し、基本法則を用いて交流回路の解析ができることを合格の基準とする。
5)物理現象について微分方程式を用いて現象を解析できることを合格の基準とする。
・方法
中間テスト: 40点、期末テスト:40点、演習・レポート:20点、総合評価 100点、単位認定は総合評価が60点以上

【テキスト・参考書】
テキスト:高木・猪原・佐藤・高橋・向川 共著、「大学1年生のための電気数学―電気回路・電磁気学の基礎数学―」(森北出版)

【その他】
・学生へのメッセージ
2年次以降で学習する専門教育科目の基礎固めなので新しいことが多く、是非、毎回復讐して習得することを薦める。わからないことは自ら積極的に取組んで、理解を深めて、自分の将来や目標にアプローチして欲しい。
・オフィス・アワー
場所:工学部9号館 9-401-1号室、電話:0238-26-3289、e-mail: atsu@yz.yamagata-u.ac.jp
時間:上記に電話あるいはメールしアポイントをとること。

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