本講義では、教育職員免許状の取得を希望する学生を主たる対象として、①憲法の基本原理および基礎概念、②日本国憲法が保障する基本的人権および人権を保障するための枠組み、③日本国憲法が定める統治構造のあり方および問題点、の三点を概説し、公教育を担う以上押えておかなければならない、わが国の政治・社会制度の根幹をなす日本国憲法についての総合的な知識を提供します。

前記①～③を理解し他者に説得的に説明できるようになること。

憲法・立憲主義・人権・平等・自由・国家・平和主義

工学部ディプロマ・ポリシー1・2、カリキュラム・ポリシー1（4）、2（1）・（4）、3に対応します。

全15回で開講される科目であるため、憲法学全般の体系的・網羅的な学習は断念せざるをえません。そこで、トピックごとに講義担当者が最初に問いを設定し、それを読み解くかたちで講義を進めていきます。なお、配布資料及び教科書を参照しながら行う講義ですが、対話形式も導入します。

第1回　ガイダンスとイントロダクション
第2回　日本憲法史
第3回　国民主権と平和主義
第4回　平和主義
第5回　人権総論
第6回　法の下の平等
第7回　精神的自由
第8回　経済的自由
第9回　社会権
第10回　参政権・国務請求権
第11回　国会①
第12回　国会②
第13回　内閣
第14回　裁判所
第15回　まとめ（試験を含む）
なお、上記は予定であり、変更する場合があります。

受講生には、意見などを尋ねられたときに自分の考えを積極的に述べることが求められます。また、口頭による情報提供が多い授業となります。積極的に要点をノートするようにしてください。

事前に教科書の該当箇所を読んでくることに加えて、授業後には配布資料と教科書の該当箇所を再読してください。また、疑問点が出てきたときは、講義後に質問に積極的においでください。

①憲法の基本原理および基礎概念、②日本国憲法が保障する基本的人権および人権を保障するための枠組み、③日本国憲法が定める統治構造のあり方および問題点、という三点の基礎的な事項について適切に説明できることを合格の基準とします。

出席、授業への取り組み、および試験等を総合的に評価します。

教科書：毛利透『グラフィック憲法入門 増訂版』、新世社、2016年。
参考書：芦部信喜［高橋和之補訂］『憲法 第6版』、岩波書店、2015年；野中俊彦他『憲法Ⅰ 第5版』、有斐閣、2012年；長谷部恭男『憲法 第6版』、新世社、2014年；長谷部恭男他編『憲法判例百選Ⅰ第6版』、有斐閣、2013年；毛利透他『憲法Ⅰ 統治 第2版』、有斐閣、2017年；同『憲法Ⅱ 人権 第2版』、有斐閣、2017年；任意の小六法。

具体的な事例を多く挙げて説明しますので、それらを通じて憲法を身近に捉えられるようになってもらえれば嬉しいです。また、対話形式を重視しますので、発言を求められた際は、批判を恐れず自分の意見を積極的に発言してください。その際、一方的に言いっぱなしでおしまい、というのではなく、あくまでも聞き手と状況を顧慮した、説得的な発言をするように努めてください。

授業後。