生体構造力学
 Mechanics and Functions of Biological Structures
 担当教員:小沢田 正(KOSAWADA Tadashi)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)機械システム工学分野
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
機械システム工学の応用として,生体構造の力学,機能,計測およびそれらの医用工学的応用などについて学習する.

【授業の到達目標】
1) 生体の構造と機能についての基礎を学ぶ.
2) 生体の構造の力学的表現,解析法を学ぶ.
3) 生体の構造の計測と医用工学について学ぶ.

【授業概要(キーワード)】
生体組織・構造,力学,生体物性,生体計測,病変の力学,機能的適応,リモデリング,医用工学

【科目の位置付け】
生体の細胞,組織,臓器,個体各レベルの構造と力学的な諸現象,特性および機能を理解する.生体からの機械的情報の抽出・計測法,低周波から超音波までの振動を利用した生体センシングとその医用診断法への応用などについて理解する.

【授業計画】
・授業の方法
輪講形式の講義および演習
・日程
第1週 バイオメカニクスの歴史,意義,領域
第2-3週 生体組織の力学的性質
第4週 生体軟組織の構成法則
第5-7週 動脈の弾性と血管病変
第8-9週 血液の流れと血管病変
第10-11週 骨格系のバイオメカニクス
第12-13週 機能的適応と再構築
第14-15週 最新の生体構造計測法

【学習の方法】
・受講のあり方
毎回の講義を良く聞いて理解すること.それを授業中に行われる演習問題でチェックし,分からないことは質問すること.
・授業時間外学習へのアドバイス
1)あらかじめテキストに目を通して授業にのぞむこと.
2)復習として,出題される課題をきちんと自分で調べてみること.

【成績の評価】
・基準
生体に関する基礎的力学を理解できる(25%),生体構造と機能に関する基礎的事項を指摘し自分の言葉で説明できる(50%),生体計測の例を示し,その原理を説明できる(25%)
・方法
期末総括レポートを60点,演習および毎回の出席チェックを兼ねるレポートを40点とし,総合して成績を決定する.合格ラインは60点とする.

【テキスト・参考書】
・テキスト
林 紘三郎,バイオメカニクス,コロナ社,2,900円.
・参考書
1.Y.C. Fung, Biomechanics, Springer-Verlag.
2.生体力学,日本機械学会,オーム社.
3.生体機械工学,日本機械学会.
4.バイオメカニクス概説,日本機械学会,オーム社.
5.細胞のバイオメカニクス,日本機械学会,オーム社.

【その他】
・学生へのメッセージ
1)生命科学の発展・浸透に従い,生体力学は機械工学の分野でも基礎的かつ必要不可欠な科目となりつつある.ほとんどの人が,エンジニアとしてなんらかの形でおつき合いすることになると予想される分野です.生体力学が,自分自身の成り立ち,健康や病気,治療の問題を含め身近な生命世界の理解に役立つことを感じて下さい.
2)講義中使用した基礎的な数学,力学,特に微分方程式の解法などで不明な点をそのままにせず,必ず復習し習得しておくこと.新たな発見や興味のある分野は自分で調べてみること.講義中の私語は厳禁.
・オフィス・アワー
毎週金曜日17:00-18:00(6-607号室)

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