数学Ⅰ
 Mathematics I
 担当教員:神保雄次(JINBO Yuji)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)化学・バイオ工学分野
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:高分子有機材料工学科,化学・バイオ工学科  科目区分:専門基礎科目・選択必修 
【授業の目的】
この講義では,代数・幾何とともに数学の柱をなす解析学の考え方や方法について学びます。自然現象を定量的に記述しようとすると多くの場合,微分や積分を用いた方程式が現れます。微分や積分に代表される極限を取るという操作を研究するのが解析学であり,あらゆる科学技術の基礎となっています。
この授業では,1変数の微分積分を多変数に拡張した微分積分法を学びます。具体的には,偏導関数,高次偏導関数,合成関数の偏微分,全微分,多変数のテイラーの定理,陰関数,関数の極値,曲面・曲線関数,重積分,変数変換,広義積分,体積・曲面積の求め方について学びます。基礎事項を身に付け,これら偏微分,重積分の計算ができる様になることがこの講義の目的です。

【授業の到達目標】
(1)偏導関数を求めることができる。【知識・理解】
(2)合成関数,陰関数の偏微分ができる。【知識・理解】
(3)多変数のテーラーの定理が使いこなせる。【知識・理解】
(4)多変数関数の極値を求めることができる。【知識・理解】
(5)連続関数・曲面・曲線の計算ができる。【知識・理解】
(6)重積分の計算ができる。【知識・理解】
(7)変数変換を利用した重積分計算ができる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
偏導関数,高次偏導関数,合成関数の偏微分,全微分,多変数のテイラーの定理,関数の極値,曲面,曲線,重積分,変数変換,ヤコビアン,広義積分,体積,曲面積

【科目の位置付け】
この授業は,工業数学の基礎となる科目であり,高校の数学,一年次の数学C からの発展である。
この科目は高分子・有機材料工学科ではCP1(3),DP2 に対応する。
化学・バイオ工学科ではCP1(1),DP2 に対応する。

【授業計画】
・授業の方法
1)本講義はWebClassを利用します。講義の補足資料,アナウンス,レポート課題がWebClassにアップされます。詳しくはガイダンス時に説明します。
2)講義では,先ず,前週の復習とレポート課題の解説を行います。そして,基本事項の解説と定理の証明を行い,例題を板書して説明します。できる限り図を使って説明します。
3)講義終了後,講義内容に関連する問題2,3問がレポート課題としてWebClassにアップされます。レポート提出期限は次週の講義開始時です。
・日程
第1週 プレースメントテストによるクラス分け
第2週 ガイダンス、偏導関数
第3週 高次偏導関数
第4週 合成関数の偏微分法
第5週 全微分と多変数のテイラーの定理
第6週 陰関数の微分法
第7週 関数の極値
第8週 関数の連続性・曲面・曲線
第9週 中間試験と解説
第10週 重積分
第11週 変数変換
第12週 広義積分
第13週 体積と曲面積
第14週 重積分の応用
第15週 期末試験と解説

【学習の方法】
・受講のあり方
1)できる限り図を板書して説明します。説明を良く聞き,専門用語や基礎事項の理解に努め,計算のコツを身に付けて下さい。特に,予習で理解できなかった箇所は意識を集中させて説明を聞いて下さい。
2)他の受講者の迷惑になるような行為は謹んで下さい。
・授業時間外学習へのアドバイス
1)予習により専門用語や基礎事項の理解に努めて下さい。
2)教科書の例題や問題には解答が付いていますので,計算方法の確認をしておいて下さい。
3)レポート課題を解いて下さい。後日,解答例をWebClassにアップするとともに,レポートを返却しますので,間違えた箇所の確認を行って下さい。
4) どうしても理解できない事柄は,修学支援TA制度やオフィスアワーを積極的に利用して問題解決に努めて下さい。

【成績の評価】
・基準
中間試験,期末試験,レポート課題の解答正答率が以下の到達目標に達しているか判定します。
 1)各種偏微分の計算ができ,多変数関数の極値を求めることができるか。
 2)テーラーの定理を使った計算ができるか。
 3)連続関数・曲面・曲線の問題を解くことができるか。
 4)重積分ができ,体積・曲面積などの応用問題を解くことができるか。
・方法
中間試験30点,期末試験40点,レポート3点×10=30点の合計100点満点中,60点以上を合格とする。なお,無断で定期試験を受けなかった場合は不可とする。

【テキスト・参考書】
テキスト : 「立花俊一・成田清正 著 「エクササイズ偏微分・重積分」」
参考書 : 服部哲也 著 「微積分 ~講義・演習テキスト」 ( 学術図書出版社)
      髙坂良史・高橋雅朋・加藤正和・黒木場正城 共著 「微分積分増補版」 (学術図書出版社)

【その他】
・学生へのメッセージ
1)授業を無断欠席しないこと。取り返すのが大変です。
2)レポート課題は、教科書等を参照しても構いませんので自分の力で解いて下さい。試験対策にもなります。後日、間違えた箇所の指摘とコメントを入れて返却します。なお、他人のレポートの丸写しは本当の力が付きません。
・オフィス・アワー
金曜日 16:00~17:00 9号館 9-601-1号室
連絡先 yjinbo@yz.yamagata-u.ac.jp

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