【授業の目的】
この講義では行列、行列式、連立一次方程式の概念を発展させ、抽象的なベクトル空間、線形写像、行列の対角化について学びます。 線形代数は工学の基礎となる重要な数学です。線形代数を道具として自由に使うために必要な概念及び計算力を身に付けることがこの講義の目的です。そのためには、ある程度の理論的背景を知ることも重要ですので、計算力だけでなく論理的思考力も必要となります。
【授業の到達目標】
○行列の演算、逆行列の計算ができる。 ○連立一次方程式の解を求めることができる。 ○ベクトルの一次独立、一次従属が判別できる。 ○基底と次元を求めることができる。 ○固有値と固有ベクトルを求めることができる。 ○行列の対角化ができる。 〇ベクトルや行列の概念を図形や物理現象と関連付けることができる。 ことが目標です。
【授業概要(キーワード)】
行列、行列式、連立一次方程式、ベクトル空間、部分空間、基底、次元、線形写像、固有値、行列の対角化
【科目の位置付け】
工業数学の基礎となる科目、高校の数学、1年次の数学Cからの発展。 (高分子・有機材料工学科) CP1(3),DP2に対応する。 (化学・バイオ工学科) CP1(1),DP2に対応する。
【授業計画】
・授業の方法
この講義の中心は例題演習ですので、細かな証明についてはあまり触れません。 講義の初めに必要事項を解説し、関連した例題を解いてみます。 その場で完全には解けなくとも、解説を参考にして、何も見ないでできるまで復習することが重要です。 また、その日の例題に関連した問題を課題として課します。 (WebClassの利用は担当者の指示にしたがってください。)
・日程
第1週 ガイダンス 第2週 数学Cの復習:行列の演算、連立一次方程式 第3週 数学Cの復習:逆行列、逆問題への応用 第4週 ベクトルの1次独立性 第5週 ベクトル空間の生成 第6週 ベクトル空間の基底と次元 第7週 ベクトルの概念の拡張 第8週 中間試験 第9週 線形写像 第10週 平面・空間図形への応用 第11週 数ベクトル表現と表現行列 第12週 固有値と固有ベクトル 第13週 行列の対角化 第14週 対角化の応用:分子の固有振動 第15週 期末試験
【学習の方法】
・受講のあり方
出席者は全員勉学の意志があるものとみなしますので、他の受講者の迷惑になるような行為は謹んでください。
・授業時間外学習へのアドバイス
重要事項は何度も繰り返し出てきますが、その度に詳しく説明する時間はありません。前回までに出てきた用語や概念は理解できているものとして新しい事項を学びますので、何が分かって何が分からないのかを自分なりに明確にした上で受講してください。 毎講義ごとに課題を出すので、原則的に次週までに解決してください。どうしてもわからない事項は修学支援TAやオフィスアワーを利用して解決してください。
【成績の評価】
・基準
課題、中間試験、期末試験を通して「授業の到達目標」に達しているかを判定する。
・方法
以下の2つの配点方式(A,B)でそれぞれ採点し、高い方を最終評価点とする。 ・配点方式A: レポート課題30点+中間試験30点+期末試験40点 ・配点方式B: 中間試験43点+期末試験57点 出席の有無による加点/減点は行わない。 最終評価点が60点以上を合格とする。 但し期末試験を受けなかった場合は単位認定をしない。
【テキスト・参考書】
三浦毅、早田孝博、佐藤邦夫、高橋眞映著 「線形代数の発想」学術図書出版、ISBN 9784780605310
【その他】
・学生へのメッセージ
講義に臨んでは、着席しているだけで全てが理解できる訳ではないので、予習復習を怠らないこと。 数学は積み重ねの学問であり、高校の数学、1年次の数学が良く理解されていることが前提になっていることに留意すること。
・オフィス・アワー
毎週木曜日午前9時から午後6時まで、10号館3階304室にて。
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