産業理解特別講義
 Special Lecture for Industry-understanding
 担当教員:松村 吉将(MATSUMURA Yoshimasa)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)物質化学工学分野
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:1単位  開講形態:講義
 開講対象:工学部  科目区分:専門教育科目 
【授業の目的】
 社会に出ると、課題解決力(課題を発見、解決に向けたアイディア発想、アイディアを実現する力など)が必ず求められる。このような能力を修得していれば、将来どのような職業に就いても活躍できるだろう。そこで本授業では、実践的な課題解決力の早期習得を目的に、様々な学科・学年からなるチーム単位で米沢市の身近な課題の解決に向けたアイディアを発想し、さらに活動資金を使って実行してみる。最終的には発想したアイディアを基に継続的な事業化を目指す。

【授業の到達目標】
 1.チームで新しいアイディアを発想できるようになる
 2.社会課題の本質を理解することができるようになる
 3.想定顧客に対する価値を提案できるようになる
 4.事業プランを作成できるようになる
 5.事業プランを第三者にわかりやすく説明できるようになる

【授業概要(キーワード)】
産業理解、米沢市の社会課題、事業企画の立案、ビジネスモデル、チームワーク

【科目の位置付け】
この講義は、国立大学法人機能強化促進補助金の支援を受けた「イノベーション創出人材の育成に向けた技術経営能力早期習得教育プログラムの構築」によるものである。工学部の全ての学科から受講できるので、異分野の人とのチームワークを実践できる。

【授業計画】
・授業の方法
大日本印刷株式会社の山口 博志 氏と松田 久仁子 氏より、サービスデザイン思考を軸とした課題の設定方法から、アイディアの発想法、簡易プロトタイピングによる検証、ビジネスモデルの立案方法などの講義を受ける。演習は山形大学の教員が担当する。学生4〜6人でチームを結成し、各チームに活動資金を提供する(一チーム10万円程度)。各チームは活動資金を計画的に使用しながら活動する。
・日程
全十回で授業を実施する。なお、受講人数、受講者の所属学科・学年等により、全体の構成やスケジュールを多少アレンジして行う場合もある。

第一回 オリエンテーション、サービスデザイン思考の理解と体験

第二回 チームビルディング、テーマの設定

第三回 ターゲットの観察、課題の定義

第四回 アイディア発想

第五回 簡易プロトタイピング検証

第六回 ヒアリングを受けての精緻化

第七回 ビジネスモデルの探索

第八回 資料作成&相談会

第九回 最終発表会

第十回 振り返り

【学習の方法】
・受講のあり方
チームメイトの意見を尊重しつつ自身の意見も積極的に発信し、これまでにない画期的なアイディアを発想してほしい。立案した事業プランの検証と実現に向けて、自主的な活動計画を策定し、実行してほしい。
・授業時間外学習へのアドバイス
事業アイディアや潜在的顧客ニーズのヒントは、想定顧客への直接ヒアリングやインターネットを活用することで、広く収集できる。
米沢市の情報は、市役所や観光協会から入手することができる。
積極的に米沢市民の人々とコミュニケーションをとってほしい。

【成績の評価】
・基準
チームで米沢の課題解決に向けたアイディアを発想し、事業プランを作成・調査・発表できることを合格の基準とする。
・方法
出席点50点+最終発表会50点
最終発表会では下記を評価する。
a)課題を解決できるアイディアかどうか
b)検証データや裏付けの正当性
c)実現性
d)わかりやすい資料かどうか
e)わかりやすい説明かどうか

【テキスト・参考書】
テキストは使用せず、重要な情報は毎回プリントにまとめて配布した上で、プロジェクターを用いた講義を行う。
参考書:
『START INNOVATION ! with this visual toolkit.』 
ハイス・ファン・ウルフェン(著) 山口博志(監修)ビー・エヌ・エヌ新社
『サービスデザインの教科書』 武山政直 (著)  NTT出版
『まんがでわかるデザイン思考』 坂元勲(著) 小学館

【その他】
・学生へのメッセージ
必須ではないが、前期集中講義のキャリア形成特別講義を受講していることが望ましい。
学生時代に形に残る活動をしてみたい人や、将来起業を考えている人はぜひ受講して欲しい。
・オフィス・アワー
月曜日16:00~17:00、グリーンマテリアル成型加工研究センター303

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