物理学Ⅱ
 Physics II
 担当教員:松下 浩一(MATSUSHITA Koichi)
 担当教員の所属:工学部非常勤講師
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報・エレクトロニクス学科  科目区分:専門基礎科目・選択必修 
【授業の目的】
工学の基礎としての熱力学を学習する.
工学の基礎である物理学としての熱力学を学習する.
本科目では、習熟度に合わせた2クラスを開講し、より理解しやすい授業を心がけている.最初に、熱力学の第0法則で熱の概念を説明する。次に第1法則で理想気体の状態方程式を導入し、色々な熱機関の熱効率を求める。さらに第2法則ならびに第3法則では,エントロピーや熱力学関数の関係について説明する。最後に、演習をして実力をつける。
熱力学を学ぶことによって,物理学的な考え方やエネルギーに対する感覚を身に付ける。

【授業の到達目標】
熱力学第0法則を理解し、その意味を説明できるようになる。理想気体の状態方程式を理解し、圧力、体積、温度を計算できるようになる。熱力学第1法則を理解し、その意味を説明できるようになる。理想気体の等温過程と断熱過程を理解し、圧力、体積、温度を計算できるようになる。カルノーサイクルの意味を理解し、その熱効率や仕事、熱量を計算できるようになる。熱力学第2法則を理解し、その意味を説明できるようになる。エントロピーの意味を理解し、その変化量を計算できるようになる。熱力学第3法則を理解し、その意味を説明できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
温度,熱,比熱,対流,伝導,放射,内部エネルギー,仕事,エネルギー保存則,カルノーサイクル,熱力学第0,1,2,3法則,エントロピー,エンタルピー,自由エネルギー

【科目の位置付け】
この科目は、電気電子工学科及び情報科学科における学習・教育目標のAに該当する.

【授業計画】
・授業の方法
授業はA、Bの2クラス開講とし、このBクラスは主に基礎力の充実を目指して扱う物理現象を出来るだけ少なくし、高校「物理」を学ばなかった学生にも理解できるように丁寧に説明する。最初のクラス分けは学生を二分するように教員が決めて掲示するが、学生の希望によってクラスを換えることは自由である。A、Bクラスとも授業の流れは同じであり、工学部の学生に合った熱力学の学習をする。出来るだけ多くの練習問題を扱う。
・日程
毎回の講義の到達目標と順序は下記の通りです.
第1回目 環境と熱力学(含:講義のすすめ方とガイダンス)
第2回目 熱平衡と温度,熱力学の第0法則,理想気体の状態変化
第3回目 熱と仕事とエネルギー(1) 熱と比熱,熱容量
第4回目 熱力学の第1法則,熱と仕事とエネルギー(2),定圧変化,定積変化
第5回目 等温変化,断熱変化 ,カルノーサイクル(1)
第6回目 第0法則からカルノーサイクルまでの演習および解説
第7回目 試験およびまとめ
第8回目 カルノーサイクル(2)
第9回目 カルノーサイクル(3),熱力学の第2法則(1)
第10回目 カルノーサイクル(4), 熱力学の第2法則(2), エントロピーと熱力学関数(1)
第11回目 エントロピーと熱力学関数(2)
第12回目 エントロピーと熱力学関数(3)
第13回目 熱力学的諸量と熱力学関数(4),熱力学の第3法則
第14回目 第2法則から第3法則までの演習および解説
第15回目 試験およびまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
各自が購入したテキストについて解説しながら板書し,さらにプロジェクターで資料等を示します。この講義内容についてノートを筆記しながら内容を理解していきます。さらに例題,演習問題を解きながら熱力学の基礎知識を学んでいきます。
・授業時間外学習へのアドバイス
基本的には教科書に沿って授業が進みます.教科書とノートを用いて予習・復習を行っておく。
講義進度に従って提出課題である基礎力チェックレポートを課します。必ず自分で行って計算力を身につけてください。

【成績の評価】
・基準
以下の項目について理解し,必要に応じて計算して求められることを合格の基準とします。
①熱力学第0法則と理想気体の状態方程式の理解に基づいて圧力、体積、温度を計算ができる。
②熱力学第1法則と理想気体の等温過程と断熱過程を理解し、圧力、体積、温度を計算できる。
③カルノーサイクルの意味を理解し、その熱効率や仕事、熱量を計算できる。
④熱力学第2法則を理解し、その意味を説明できる。
⑤エントロピーの意味を理解し、その変化量を計算できる。
⑥熱力学第3法則を理解し、その意味を説明できる。
・方法
科目の達成目標に記載の項目について試験を行ない、以下の基準を満足したものを合格とする。中間試験と期末試験およびレポートの合計100点満点で,60点以上を単位認定します。

【テキスト・参考書】
テキスト:伊東敏雄「なーるほどの熱学」学術図書出版社
参考書:JSMEテキストシリーズ出版分科会「熱力学」丸善株式会社、 原 康夫「物理学通論I」学術図書出版社、大槻 義彦「物理学II」学術図書出版社、松平升他「教養理工 物理学II」培風館、小出昭一郎「物理学(改訂版)」裳華房、阿部龍蔵・川村清「物理学」サイエンス社

【その他】
・学生へのメッセージ
高校時代,物理学が未履修であっても理解できるように基礎から学びます.
諸現象の物理的な意味を理解しよう.自分で考えながら実際に計算することで,熱力学を身につけられるように心がけましょう.
・オフィス・アワー
非常勤講師です。質問は講義終了後30分以内なら可能です。教室に残ってください。
メールを利用するなら,いつでもOKです。復習予習で分からないときにも対応可です。
授業の始めに,メールアドレスを示します。

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