【授業の目的】
化学工学は化学工業の装置・機械、プラントの設計・建設・運転に関する学問として出発したが今ではエネルギー、資源、環境、食品、生物関連、セラミックス等広い分野にその手法が広がっている。
ここでは化学工学の重要な項目で、化学工学の他の多くの諸項目の基礎ともなっている運動量移動すなわち流体工学について説明する。
【授業の到達目標】
学生は,流体輸送に関するテクニカルタームを理解できる。実際に与えられた数値情報を使って,流体静力学に基づいた圧力の計算ができる。流動の基礎方程式が理解できる。流体の輸送の際に生じる圧力損失を理解し,計算できる。管路による流体の輸送に必要な動力の計算ができる。
【授業概要(キーワード)】
流動,運動量移動,管摩擦係数,圧力損失,ベルヌーイの式
【科目の位置付け】
この講義は,化学工学の基礎となる移動現象論の中の運動量移動に関する科目で,流体の流れについて運動量移動の観点から論理的に考察し,流動現象の論理的把握力を身に付けるものである(工学部化学・バイオ工学科のカリキュラムポリシー)。
【授業計画】
・授業の方法
石油精製販売企業の運転管理部門で勤務経験のある教員が,その経験を活かして流体輸送の基礎事項と輸送エネルギーの計算法を講義する。 90分の時間内で講義を主体とするが、時折演習を行って数値の取り扱いに慣れていただく。
・日程
授業計画 第1回:ガイダンス,化学工学について 第2回:流体の種類と粘性 第3回:流体静力学の基礎(1)圧力 第4回:流体静力学の基礎(2)浮力,表面張力 第5回:流動の基礎 流れの状態 第6回:流動の基礎方程式(2)連続の式 第7回:流動の基礎方程式(3)運動方程式 第8回:流動の基礎方程式(4)ベルヌーイの式 第9回:流動の基礎方程式(5)流体工学の次元解析 第10回:管内の流れ(1)流量と流速の計測 第11回:管内の流れ(2)速度分布と圧力損失 第12回:管内の流れ(3)管摩擦係数 第13回:管路系の圧力損失と輸送現象 第14回:物体に作用する流体抵抗 第15回:試験および解説
【学習の方法】
・受講のあり方
私語、飲食、喫煙、そのほか、他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は、受講を遠慮していただく。 講義ノートをしっかり取り,講義時間内で行う演習問題を積極的に解くこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
本講義は特に予習を必要としないが、講義内容に関係する参考書や読み物を紹介するので、是非積極的に読まれたし。 本講義では復習を重視する。受講生にとって全く新しい学問であるとともに、知識の積み上げ方式なので、前回の内容を理解していないと次回の内容が全く分からなくなることもあり得る。十分復習し、不明な点は質問すること。
【成績の評価】
・基準
試験では下記の項目が評価される。 ・基礎となる専門用語の理解 20点 ・流体の力学的計算法の基礎が身に付いているか 80点 ・計 100点
この講義の合格ラインは60点とする。
・方法
最終筆記試験で成績を決定する。 流体の計算問題では,部分点を積極的に採用し,途中の計算過程における理解度もしっかりと評価するので,途中の計算結果まででもしっかりと解くこと。
【テキスト・参考書】
教科書:「図解によるわかりやすい流体力学」中林功一・山口健二共著 森北出版 2200円+税 適宜,補足プリントを配布します。
【その他】
・学生へのメッセージ
粘り強く、継続的に学習して下さい。 知識の積み上げ方式なので,毎回出席すること。
・オフィス・アワー
水曜日 16:00~17:00 工学部3号館2108号室 (上記の時間帯以外でも、随時質問は受け付けます)
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